2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22560296
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
森 伸也 大阪大学, 工学研究科, 准教授 (70239614)
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Keywords | 半導体 / シリコン / ナノ結晶 / 量子輸送 / シミュレーション / トンネル / 弾道輸送 / インパクトイオン化 |
Research Abstract |
本研究では,ナノ結晶シリコン列における準弾道電子輸送に対する完全3次元理論を構築し,準弾道輸送現象の解明を行うことを目的とする.従来の単純化した1次元モデルを,1.3次元空間における電子輸送,2.一般的な配列のナノ結晶シリコン列,3.インパクトイオン化散乱の取り込みという点において一般化する.この一般化により,準弾道輸送現象の物理的なメカニズムを解明すると同時に,ナノ結晶シリコンデバイス応用に向けて,電子放出の量子効率や放出電子の角度分布など,デバイス設計に必要な物理量の理論値を得ることを目的とする.本年度は,結合ナノ結晶シリコン列のトンネル過程に関する3次元計算ならびにナノ結晶シリコンにおけるインパクトイオン化確率の計算を行った 結合ナノ結晶シリコン列のトンネル過程の3次元計算に関しては,本年度,有効質量近似ハミルトニアンを実空間で離散化する手法により電子状態を計算するプログラムを完成させた.ハミルトニアン行列サイズが大きくなるため,FEAST(http://www.ecs.umass.edu/~polizzi/feast)アルゴリズムを採用した ナノ結晶シリコンにおけるインパクトイオン化に関しては,半経験的強結合近似法を用いて得られた電子状態から,インパクトイオン化の確率を計算するプログラムを完成させた.ナノ結晶シリコンにおいては,運動量保存則に関する制約が解けること,ならびに,キャリア間距離が短くなるため遮蔽が弱まる効果により,バルクシリコンと比べて,立ち上がりが急峻かつ高いインパクトイオン化確率を示すことが分かった
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Research Products
(1 results)