2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22560296
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
森 伸也 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (70239614)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 半導体 / シリコン / ナノ結晶 / 量子輸送 / シミュレーション / トンネル / 弾道輸送 / インパクトイオン化 |
Research Abstract |
本研究では,ナノ結晶シリコン列における準弾道電子輸送に対する完全3次元理論を構築し,準弾道輸送現象の解明を行うことを目的とする.従来の単純化した1次元モデルを,(1)3次元空間における電子輸送,(2)一般的な配列のナノ結晶シリコン列,(3)インパクトイオン化散乱の取り込みという点において一般化する.この一般化により,準弾道輸送現象の物理的なメカニズムを解明すると同時に,ナノ結晶シリコンデバイス応用に向けて,電子放出の量子効率や放出電子の角度分布など,デバイス設計に必要な物理量の理論値を得ることを目的とする. 本年度は,前年度までに作成したプログラムを用いて,種々の条件の元でインパクトイオン化確率および雪崩増倍率の計算を行った.分子動力学法に基づく熱酸化シミュレーションを行い,乱れたナノシリコン結晶モデルを構築した.その結晶モデルを用いて,インパクトイオン化確率の計算を行い,その結果を詳細に解析した.その結果,原子配置乱れにより,バンド端付近において,縮退した準位の縮退が解けることがインパクトイオン化確率に大きな影響を及ぼすことを見いだした.さらに,電界強度およびデバイス厚さをパラメータとして,雪崩増倍率の計算を系統的に行い,高い雪崩増倍率を得るための条件を探索した.その結果,高電界領域において,雪崩増倍率は電界のべき乗で増大し,デバイスの厚さが厚い領域において,雪崩増倍率はデバイス厚さに関して指数関数的に増大することが分かった.本研究で開発したプログラムでは,原子配置が自由に設定可能であり,本年度,新たに光吸収過程のモジュールを追加した.その結果,ナノ結晶シリコンデバイス設計に応用可能な形のプログラムが完成した.
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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