2011 Fiscal Year Annual Research Report
超伝導整流素子の実現に向けた非対称人工ピンの導入と特性向上に関する研究
Project/Area Number |
22560297
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
原田 直幸 山口大学, 大学院・理工学研究科, 准教授 (00222232)
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Keywords | 超伝導材料 / ピンニング / 臨界電流 / 量子化磁束 / Nb / 非対称 |
Research Abstract |
実用超伝導線材に用いる第2種超伝導体に電流を流すと、超伝導体内部で量子化された磁束線にローレンツ力が働く。このローレンツ力が作用する量子化磁束と超伝導体内部のミクロな不均質部分との相互作用により、量子化磁束がピン止めされ、臨界電流(無損失で流すことができる電流)密度が決まる。超伝導体の臨界温度や臨界磁場は材料によって決まるが、臨界電流密度は効果的なピンニングセンターの導入によって改善できる。従来、このピンニングセンターは熱処理や圧延加工により超伝導線材に経験的に導入された結晶粒界や析出物などであったが、人工的に導入する方法も開発されてきた。本研究は、塑性加工により線材に導入する人工ピンの考えを発展させ、微細加工技術を用いて非対称人工ピンを導入し、通電方向によって臨界電流密度が異なる超伝導素子の製作を目標としている。この超伝導素子は、低損失で整流作用を持つ超伝導整流素子の実現につながるものである。本研究では、超伝導素子に必要となる非対称人工ピンの特性を明らかにし、さらに高密度に導入する方法を検討して素子の特性向上を目指すものである。平成23年度は、これまでの検討結果から、実際に導入する場合の大きさに対して、ピンニングエネルギーの変化やピンニング力について、三角形の形状をした人工ピンについて数値計算を行った。また、微細加工を行って人工ピンの導入を行うための実験を行い、湿式エッチングによる非対称人工ピンを導入した。さらに、非対称人工ピンど導入した後の超伝導膜の特性を把握するためのシミュレーションの準備を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
非対称人工ピンを導入する微細加工について、エッチング方法の条件の最適化などに時間を要している。今後、ドライエッチングを含めた微細加工の方法について検討を行う。
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Strategy for Future Research Activity |
非対称人工ピンの導入方法の最適化を検討する。次に、特性向上に向けて非対称人工ピンの臨界電流密度やピン止め特性を評価する方法として、MO磁束観察法、高感度の磁化測定装置を用いた磁化測定を実施する。また、超伝導整流素子を実現するためには、順方向と逆方向の電流密度の比を大きくすることが必要であることから、これまでの微細加工よりも高密度で人工ピンを導入する新しい方法についても調査と検討を行う。
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Research Products
(1 results)