2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22560304
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
犬島 喬 東海大学, 工学部, 教授 (20266381)
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Keywords | InN / 超伝導 / マイスナー効果 / BCS超伝導 / 高温超伝導 / 2種類の電子 |
Research Abstract |
最低電子濃度(4.8×10^<17>cm^<-3>を持つMBE成長InNとMOCVD成長InN(7.8×10^<18>cm^<-3>のマイスナー効果の温度依存性を1.5K~20mKの範囲でフランス・グルノーブルの強磁場研究センター(GHMFL)にて測定した。その結果InNは明確なフェルミ面をもち、かつ2種類の超伝導相転移を示すことが明らかになった。このことはInNの超伝導に関与する電子が2種類存在することを意味する。すなわち、InNの超伝導はa-b面内の第2近接にある金属Inが作り出すジョセフソン結合型のBCS超伝導のほかに、高温超伝導で観測される、短いコヒーレント長をもつ超伝導が存在する。このことを確認するため、磁気プラズマ反射測定と、磁気抵抗効果の測定を行って、確かに2種類の電子が存在することを確認した。 第一原理計算から、InNの価電子帯にはs-d混成があり、結果として伝導帯には2種類の電子が発生する。今回の研究により、この2種類の電子はアンダーソンのdirty superconductivityを示すs電子と、高温超電導体によく似た特徴を示すd電子であると結論した。今後今回の研究成果を論文として公表する。
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Research Products
(2 results)