2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22560304
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
犬島 喬 東海大学, 工学部, 教授 (20266381)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | InN / 超伝導 / s-d混成 / アンダーソン定理 |
Research Abstract |
電子濃度(4.8x10^17cm^-3 )を持つMBE成長InNとMOCVD成長InN(7.8x10^18 cm^-3)のマイスナー効果の温度依存性を20 mK~4.5 Kの範囲でフランス・グルノーブルの強磁場研究センター(GHMFL)にて測定した。その結果InNは明確なフェルミ面をもち、かつ2種類の超伝導相転移、すなわち、InNの超伝導はa-b面内の第2近接にある金属Inが作り出すジョセフソン結合型のs-電子が支配的なBCS超伝導のほかに、高温超伝導で観測される、短いコヒーレント長をもつd-電子による超伝導が存在することが分かった。このことは、磁気プラズマ反射と、磁気抵抗効果により確認した。この2種類の電子の存在確率は温度とともに変化し、超伝導相転移より低温ではほぼ高温超伝導で観測されるd-電子のみになることを見出した。更に、InNが示すBCS型の超伝導の解析から、InNは金属Inと同等のコヒーレント長と超伝導ギャップエネルギーを持つことが分かった。このことは金属Inの中にN原子がドープされて六方晶InNの形を取っているが、基本的には汚い超伝導体に働くアンダーソンの定理として理解できることを意味する。すなわち、InN中のN原子は母体の金属Inの超伝導特性にはほとんど影響しないとして理解が可能である。第一原理計算から、InNの価電子帯にはs-d混成があり、伝導帯には2種類の電子が発生すると結論付けた。 結論として、InNは禁止帯幅0.64 eVの直接遷移型半導体であり、青色発光素子の重要な素材でもあるが、一方金属InにNがドープされたような金属的な特徴を持ち、その電子構造にはs- とd-電子の寄与があり、BCS型と高温超伝導タイプの超伝導を示すことが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)