2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22560305
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Research Institution | Tokyo University of Technology |
Principal Investigator |
三田地 成幸 東京工科大学, コンピュータサイエンス学部, 教授 (40339768)
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Keywords | 光物性 / ナノ材料 |
Research Abstract |
視物質をデバイスに創り上げることを目的として、レチナール、レチノイン酸、レチノール等のレチノイドを天然の高分子であるキトサン溶液に分散固定させたゾル状薄膜をスピンコータによって製膜、あるいは交互吸着による層状単分子配向膜を精度の高いナノ製膜自動装置によって作製し、再現性の高い高機能な光受容デバイス実現を目指した。H22年度は、レチナールとキトサンの分子機能電極上への交互吸着自動製膜最適条件を追究し、下記結果を得た。 (1)10%EtOH(v/v)、30%EtOH(v/v)及び50%EtOH(v/v)の3条件で作製した交互吸着膜を用いて光受容デバイスを作製し、光電流応答を測定した結果、50%EtOH(v/v)のレチノイン酸溶液で作製したデバイスにおいて、光電流応答発現の歩留りが最も高いことを見出した。 (2)レチノイン酸溶液の条件をエタノール容量濃度50%EtOH(v/v)、pH3に設定することで、歩留り33%まで光電流応答発現の成功確率を向上させている。また、キトサンの重合度を変更して光受容デバイスを作製した結果、100から300の重合度であるキトサンが適切であることも見出した。 (3)交互吸着膜の製膜過程での実験者の技能による特性のばらつき要因を排除するため、自動交互吸着膜作製装置を設計・試作しITO基板上に交互吸着膜を作製した。不純物及び欠損がなくナノ構造が形成された膜では矩形波応答となり、光電流応答の外部量子効率はゲル型(分散型)デバイスの150倍に改善された。 (4)Alq3層を導入したITO/ITO光受容デバイスの立ち上がり時間が0.85秒,立ち下がり時間が0.82秒となり、従来のデバイスに比較して1/17の短縮(高速応答化)に成功した。
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