2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22560305
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Research Institution | Tokyo University of Technology |
Principal Investigator |
三田地 成幸 東京工科大学, コンピュータサイエンス学部, 教授 (40339768)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 光物性 / ナノ材料 / 視物質 / レチノイド / 交互吸着 / キトサン / 光受容デバイス / 外部量子効率 |
Research Abstract |
我々の眼の中の光に応答するレチナ-ルを実用的なデバイスに創り上げることを目的として研究を行った。レチナールの高速・高効率な機能はオプシンというタンパクのアシストで達成されている。この仕組みを模倣するために、レチナール、レチノイン酸、レチノール等の視物質と天然の高分子であるキトサンとの交互吸着法での層状単分子膜形成により精度の高いナノ製膜技術を確立し、高量子効率の光受容デバイスを実現した。 レチノイン酸は各種光異性化反応を起こすことを、NMR解析結果から報告しているが、今回、デバイスに印加する電圧を変化させても光電流の値や応答速度に変化が見られないことから、ラジカル反応である可能性を見出した。交互吸着法による整然とした自然配向のナノ構造の特徴と、光に応答しラジカル発生により光異性化するという特徴を利用し、内部増幅機能を持つ光デバイス実現に挑戦した。作製したサンプルの中で9時間という最長の光応答を示したサンプルでの、発生光電流値、照射光パワー密度、デバイス面積、照射光波長、光速、電子の電荷量等から、PDの性能指数試算に用いられる同様の式で、光が電流に変換される外部量子効率を計算すると4.53という驚異的事実が見つかり、(独)WeimarでのEuro BioMAT2013で成果発表を行った。このトップデータについては、5層に積層されたデバイス各層でのラジカル発生が連鎖的におこり、このような内部増幅機能が確認されたと考察している。積層数を増やせば大きな増幅も可能であることも示唆していて、単一フォトン応答や高効率ソーラーセルの実現にも繋る発見と考えられる。なお、スピンコーティングによるゲル状の膜では0.03、また実験的にうまく交互吸着膜が形成できていないサンプルでは0.65といった低い量子効率を示すことも同時に報告した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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