2011 Fiscal Year Annual Research Report
ZnOと蛍光体との複合ナノロッドを用いたラテラル方向電界放出型発光デバイスの開発
Project/Area Number |
22560306
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
佐藤 知正 神奈川大学, 工学部, 助手 (90343631)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平手 孝士 神奈川大学, 工学部, 教授 (60078300)
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Keywords | 電気・電子材料 / 光源技術 / ナノ材料 |
Research Abstract |
これまでの研究でおよそ確立してきたZnOナノロッド低密度成長技術を適用して、セパレート性を有するZnOナノロッドアレイを作製し、またそれを用いてラテラル方向電界放出型発光デバイスの試作と初期評価を行なった。この初期評価試料の電極幅は3mm、電極間距離は2mmとし、10^<-4>[Pa]台の真空下で直流電圧を印加して評価を行なった。作製直後のデバイスは低い電圧では電界放出電流が流れないが、4kV以上の電圧印加によってデバイスに変化が生じ、電界放出電流の出現と共に電極間に複数の発光ラインが観測されるようになる。この変化の後は電界放出のしきい電圧は約2kV程度に低下していた。発光ライン上での発光強度は測定できてはいないが、発光ラインから近傍に拡散した領域の発光強度は6kV印加時には約10cd/m^2であり、発光ライン上はこの10倍以上の発光強度があったものと推測される。この時の電流は35uAであり、低電流での発光であったことが確認された。発光スペクトルはZnOの酸素空孔欠陥準位に由来するピーク波長が510nmのブロードな発光ピークとZnOのバンド間遷移によるピーク波長が385nmのシャープな発光ピークがあり、強度的には前者のピークが強いものであった。このピーク強度比はPLスペクトルの場合とほぼ同じであった。このように電極間で均一な発光が得られていないが、このデバイスの発光と発光効率のポテンシャルの高さを確かめることができた。 また、発光ラインと他の領域との違いを検討したところ、発光ラインのカソード電極部にマクロな突起が形成されていた。これは電圧印加初期に放電に損傷でできたものである。このデバイスの最大のボトルネックになっているのはロッド間の電界放出性能ではなく、出発点であるカソードからの電子の電界放出性能であることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
先の研究実績の概要に述べたように、このデバイスのボトルネックになっているのはカソード電極からのからの電子の電界放出性能であることが明らかになったが、これは当初予想していなかったことである。
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Strategy for Future Research Activity |
1.カソード電極の材料・形状の検討 (a)電極端にマクロな電界増大に対する形状効果を生じさせるために、電極端をギザギザ化するための加工プロセス検討とその適用効果の検討を行なう。 (b)電極端に低密度のナノロッドを組み入れ、電極端にもミクロな電界増大効果を生じさせる。 2.ナノロッドの種類による電気的特性と発光特性の違いの検討 ZnOナノロッド、および発光の多色化を狙ったZnS/ZnOやZnSe/ZnOのコアーシェル構造のナノロッドを用いた場合の電気的特性と発光特性の違いを検討する。 3.ナノロッド長、密度の最適化による特性向上の検討
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