2011 Fiscal Year Annual Research Report
PA-ALD法による高誘電体薄膜の低温形成と欠陥・界面制御に関する基盤研究
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22560307
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Research Institution | Tokyo University of Science, Suwa |
Principal Investigator |
福田 幸夫 諏訪東京理科大学, システム工学部, 教授 (50367546)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
王谷 洋平 諏訪東京理科大学, システム工学部, 講師 (40434485)
石崎 博基 諏訪東京理科大学, システム工学部, 助教 (20383507)
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Keywords | 誘電体物性 / 表面・界面物性 / 超薄膜 / MIS構造 / プラズマ酸化 / 原子層堆積 / 酸化ハフニウム |
Research Abstract |
本研究課題は、マイクロ波リモートプラズマにより生成した原子状酸素及び原子状窒素を酸窒化剤として用いた原子層堆積(PA-ALD)法によるHf系高誘電体薄膜の低温形成技術の確立を目的としている。特に、プロセス上限温度に厳しい制限のある高移動度チャンネル材料Geを用いた次世代高性能MOSFETに向けた高誘電率ゲートスタックの構造・組成を低温にてin-situに作りこむことを目標にしている。 当初、平成23年度は、ベースとなるHf酸窒化膜に対してHfと価数の異なる不純物(A1,Ge,Ta)を添加し、これらの電荷補償効果による荷電性欠陥密度の低減化手法について検討する予定であった。 ところが、ALD原料としてTDMAH[(Hf(N(C_2H_5)_2)_4]と原子状酸素を用いたSi基板上へのHfO_2薄膜形成の実験を進めた結果、100~300℃の低温でHfO_xとSiO_xの化合物であるHfシリケートが形成されることが判明した。さらに、得られたHfシリケートの電気的特性を評価した結果、膜中の荷電性欠陥やSi基板との界面に形成されるボーダートラップの影響が著しく反映されるフラットバンドシフトやC-Vヒステリシスの非常に少ないHfシリケートであることが分かった。すなわち、当初計画していた不純物添加という複雑な手法を採らなくても特性の良いHf系高誘電体薄膜の低温形成が可能になった。 従来、Hfシリケートは、酸化剤として水を用いたALD法により熱酸化SiO_2/Si基板上にHfO_2を堆積した後、700-1000℃の高温熱処理による熱拡散を利用して形成されている。これに対して、本研究によるPA-ALD法では、100℃程度の低温でin situにHfシリケートを形成することが可能であることから、酸化剤としてマイクロ波生成原子状酸素を用いたPA-ALD法の特徴を見出すことができたと言える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画していたアプローチ(Hfと価数の異なる不純物添加による荷電性欠陥密度の低減化)とは異なるが、PA-ALD法の特徴を利用した低温シリケート化によるHf系高誘電体薄膜の高品質化の見通しを得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
当初計画していた不純物添加という複雑な手法を採らなくても特性の良いHf系高誘電体薄膜の低温形成が可能になった。今後、PA-ALD法によるHfシリケート形成のメカニズムを明らかにしていくとともに、Hf以外のシリケート形成の可能性の検討、さらに、本研究課題の最終目標であるジャーマナイドの低温形成について検討を進める。
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