2010 Fiscal Year Annual Research Report
スピントランジスタ構造へのハーフメタルグラニュラーの適用の試み
Project/Area Number |
22560308
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Research Institution | Daido University |
Principal Investigator |
神保 睦子 大同大学, 工学部, 教授 (00115677)
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Keywords | スピントランジスタ / グラニュラー膜 / ハーフメタル / トンネル伝導 / スピンエレクトロニクス |
Research Abstract |
スピン分極率が100%と予測されるハーフメタルの第1候補として,CoFeAlSiホイスラー合金を,絶縁材料としてはAlOxを取り上げ,グラニュラー膜を作製しそのTMR特性を評価した。作製に用いたのは現有の多元スパッタ装置で到達真空度は4x10^<-9>Torrである。また,特性を大きく左右するチャンバー内の残留ガスの影響を調べるために,今年度購入した質量分析計を取り付けたが,残留ガスの影響に関してはまだ検討を行なっていない。 作製した試料は室温でMR比を測定したところ,約18%のMR比を得ることができた。従来,金属-AlOグラニュラー膜で得られたMR比はせいぜい10%程度である。今回得られた18%のMR比は従来の値を大きく超えており,これはCoFeAlSiホイスラー合金の高いスピン分極率を反映していると考えられる。そこで,大きなMR比と小さなMR比しか得られない試料の構造をX線回折装置を用いて検討したところ,大きなMR比の得られた試料では,ハーフメタル性を特徴づけるL2_1やB2構造を反映する回折角度のところに強度は小さいがブロードなピークが存在することが分かった。 さらに,この構造を得るためには特定のガラス基板を使わなければならず,ガラス基板の表面状態に強く依存していることが分かった。そこで,来年度はガラス基板の表面状態を調べ,スピントランジスタ構造で用いるためのSi基板でも再現よく大きなMR比が得られる条件を明確にしようと考えている。
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Research Products
(4 results)