2012 Fiscal Year Annual Research Report
AlGaN/GaNヘテロ接合界面のバンド構造解析と高品質化
Project/Area Number |
22560309
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Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
中野 由崇 中部大学, 付置研究所, 准教授 (60394722)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 電子・電気材料 / 窒化物半導体 / AlGaN/GaNヘテロ構造 / 半導体欠陥準位 / 結晶成長 / スイッチング特性 |
Research Abstract |
AlGaN/GaNヘテロ界面の2次元電子ガスを用いた高移動度トランジスタは省エネルギー型の高周波パワーデバイスとして期待されているが、ヘテロ構造中に存在する欠陥準位の存在によりスイッチング特性が不安定となる電流コラプス問題が残っている。平成22,23年度の研究では、ショットキーダイオードを作製し、GaNバッファ層のMOCVD結晶成長中に不可避な不純物である炭素が残存するほど、炭素取り込みに関係する3種類の欠陥準位密度(伝導帯下2.07, 2.80, 3.23eV)が多くなり、電流コラプス現象が起こりやすいことが分かった。これらの欠陥準位はGa空孔, Ga空孔-炭素, 炭素に帰属するものと思われる。平成24年度の研究では、標準スペックのAlGaN/GaNヘテロ構造ウエハのショットキーダイオードを用いて、電流コラプスの簡易的な評価法であるデバイスのオフ状態からのターンオン電流回復特性評価に、これら3種類の欠陥準位エネルギーに対応する光照射を組み合わせることで、デバイスのスイッチング特性に対するそれぞれの欠陥準位の影響を分離した。その結果、伝導帯下2.80eVと 3.23eVに存在する欠陥準位が2次元電子ガスのキャリアトラップとして働き、室温でのスイッチング特性を直接的に支配していることが断片的に分かった。今後は、GaNバッファ層の炭素取り込み状況やデバイス動作温度(高温)に対して、不純物炭素関連の欠陥準位とスイッチング特性の相関を系統的に検討し、スイッチング特性を直接的に支配する欠陥準位の全体像を把握し、デバイス特性の観点から欠陥準位密度の低減に向けたMOCVD結晶成長指針を抽出する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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