2011 Fiscal Year Annual Research Report
グラフェンの生成とこれを用いた機能性炭素材料の開発とエネルギーデバイスへの応用
Project/Area Number |
22560311
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Research Institution | Nagano National College of Technology |
Principal Investigator |
押田 京一 長野工業高等専門学校, 電子情報工学科, 教授 (90224229)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
板屋 智之 長野工業高等専門学校, 一般科, 准教授 (80263961)
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Keywords | 電気・電子材料 / 炭素材料 / 透過電子顕微 / エネルギーデバイス |
Research Abstract |
本研究はグラフェンを作成して構造解析を行い,エネルギーデバイス材料に応用することを目的としている.高分解能TEM観察像に2次元高速フーリエ変換(2D-FFT)を手法として用いた.これは制限視野電子線回折(SAD)に匹敵し詳細な物質のナノオーダの局所構造解析が可能である. 顕微鏡観察および画像処理の解析方法の検討を行った.試料として,天然黒鉛から硝酸をインターカレーションすることにより剥離したグラファイト薄片(グラフェン)を用いた.また,白金(Pt)微粒子を表面および内部に担持したカップ積層型カーボンナノチューブ(CSCNT)を用いた 薄片状のグラファイトの高倍率TEM観察像に2D-FFTを施しパワースペクトル(PWS)を得た.PWSのスペクトルスポットが円状に並び,2個のスポットの対が6個あることから,2つのグラファイト構造がBasal面に対して水平に回転して積層していると推定された. 小角X線回折法の散乱パターンを解析することにより,金属微粒子の担持状態を解析した.ピッチ系炭素の熱処理温度の違いによる炭素化の度合いの変化を,HRTEM像と画像処理によるパワースペクトルから解析した.このように高倍率のTEM観察において2D-FFTは制限視野電子線回折(SAD)の代替手法となりうることが検証された. 3D-TEMを用いると,TEMの透過像からではわからない立体的構造が理解でき,この観察結果より,TEM観察は試料の3次元的状態を考慮して行うことが必要であることがわかる.今後,材料をここで開発した方法で解析し,実際にこの試料を用いた電気化学実験の結果と合わせて検討し,マクロ組織の解析法を合わせることにより,材料のナノ構造とマクロ組織の関連性を明らかにして,高性能な炭素材料の設計に反映させることが期待できる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
グラフェンをはじめとするナノカーボンの解析を進めることにより,その構造をある程度調べるられたが,応用のための金属粒子他の担持を炭素六画網面のエッジに選択的に行うことのコントロールが十分行えず,グラフェン同士のエッジの結合ができていない.
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Strategy for Future Research Activity |
グラフェンの端である炭素六角網平面のエッジが多数あるカップスタック型カーボンナノチューブ(CSCNT),ナノ空間を利用するため,アクセス可能なメソ孔およびミクロ孔を有する活性炭を用いる.修飾したグラフェンのエッジ同士を結合させて3次元あるいは2次元構造物質を作成する.あらかじめエッジに修飾物質を付加しておき,炭素六画網面に他の物質を入れたカーボンナノチューブの作成を試みる.調製,準備した各炭素材料の組織および構造高分解能透過電子顕微鏡(HRTEM),3次元透過電子顕微鏡(3D-TEM),電子エネルギー損失分光法(EELS),小角X線散乱法(SAXS)により観察,測定する.エネルギーデバイスに応用するため,作成したナノ材料により電極素作成する.作成した電極を用いて,電気二重層キャパシタの充放電実験を行う.
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Research Products
(7 results)