2010 Fiscal Year Annual Research Report
下地基板の制約を軽減した酸化物結晶薄膜形成技術の研究開発
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22560313
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Research Institution | Numazu National College of Technology |
Principal Investigator |
野毛 悟 沼津工業高等専門学校, 電気電子工学科, 准教授 (10221483)
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Keywords | 薄膜 / エピタキシャル / 機能性 / 結晶 / 成膜技 |
Research Abstract |
エピタキシャル薄膜単結晶形成における下地基板の制約を軽減するため,独自の技術開発をめざしている.今年度は結晶化装置を導入し,装置の基本的な特性について確認と検討を行った. 薄膜形成時の下地として,エレクトロニクスで欠くことのできないSiO_2膜を想定し,任意の方位制御あるいは単結晶薄膜を形成する技術が確立できれば,異種材料の集積化,ハイブリッドデバイスへと適応できる可能性が広がる.第1段階として,我々が提案し検討している酸化物単結晶薄膜形成技術を確立するため,磁気光学材料であるCe:YIGあるいはBi:YIGを対象として検討をすすめた. 結晶化処理は大きく2つの処理過程となっている.ステップ1の成膜の段階では,下地基板が非晶質であり,たい積した膜はアモルファス状態である.ステップ2では,通常のエピタキシャル成長時に使用する単結晶基板片を用いた熱処理を行う.単結晶基板片は熱処理時の種結晶として使用する.熱処理前にArプラズマによりサンプルと種結晶片の表面をリフレッシュした後に,真空状態でリフレッシュ面同士をコンタクトさせる.結晶片をコンタクトさせた状態で適度な加圧と熱処理を施すことにより,結晶化を促進し所望の単結晶薄膜を得る. Ce:YIGでは結晶化処理の条件が分かりつつあるので,平行してBi系を対象に実験を進めた.実験により結晶化温度は670℃近傍であることが示唆されている.しかしながら,顕著な方位の制御にはまだ至っておらず,引き続き検討を行っている.本手法は種結晶によって得られる単結晶の方位面が制御できる可能性がある.今後はこの技術応用として,強誘電体材料等の酸化物単結晶薄膜形成への適応を想定し,用途の広いLiNbO_3への本手法の適用をめざす.
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Research Products
(3 results)