2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22560327
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
葛原 正明 福井大学, 工学研究科, 教授 (20377469)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 あき勇 福井大学, 工学研究科, 教授 (90210517)
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Keywords | GaN / MIS / FET / HEMT / 絶縁膜 |
Research Abstract |
AlGaN/GaNヘテロ構造に対するMIS絶縁膜として、ALD法Al_2O_3、ALD法ZrO_2、スパッタ法SiNを検討した。成膜後の膜厚を段差計で、屈折率をエリプソメトリで評価した。Al_2O_3とsiN膜の屈折率はそれぞれ1.77、1.90であった。絶縁膜上にNi/Auから成るゲート金属を形成し、I-V特性とC-V特性を評価した。その後、ALD法Al_2O_3とスパッタ法SiNについて、それぞれゲート長2umのMISFETを試作した。試作したMISFETは室温で良好な特性を示した。ALD法Al_2O_3では最大ドレイン電流密度1.0-1.1A/mm、しきい値電圧-8~-9V、スパッタsiN膜では、最大ドレイン電流密度0.75-085A/mm、しきい値電圧-5~-7vの特性が得られた。 GaNよりさらに広いバンドギャップを有するAlGaNをチャネル材料として用いることにより、一層の高温安定動作ができる。本研究では、基板にAlN自立基板を用い、バッファ層を介して種々のAl組成をもつAlGaNチャネル層とAlGaN障壁層を連続エピ成長することにより、AlN基板上AlGaNチャネルHEMTの試作を行った。試作したゲート長9umのHEMT(チャネルAl組成51%,障壁層Al組成86%)は良好なピンチオフ特性と飽和特性を示した。直流特性の温度依存性を室温から300℃に亘って評価したところ、通常のAlGaN/GaN HEMTに比較して、高温(300℃)での飽和ドレイン電流の低下率が極めて小さいこと(GaNチャネルの80%に対してAlGaNチャネルでは20%以下)が確認された。さらに、ゲート漏洩電流も300℃においてAlGaNチャネルが約2桁低い値を示すことが確認され、高温動作素子としてAlGaNチャネルHEMTの有用性が実証された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
MISFETの試作は順調に進んでいるが、原子層堆積法(ALD法)で成膜したAl2O3膜やZrO2膜によるMISダイオードの逆方向漏れ電流が大きく、十分なゲート逆方向耐圧が得られていない。成膜条件の改善を進め、MISダイオードのリーク電流低減に努めたい。
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Strategy for Future Research Activity |
上述の通り、原子層堆積法(ALD法)で成膜したAl2O3膜やZrO2膜によるMISダイオードの逆方向漏れ電流の要因解析を進め、ゲート逆方向耐圧の向上をめざす。
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