2012 Fiscal Year Annual Research Report
希土類添加窒化物半導体を用いた集積型微小光源の開発とナノシステムへの応用
Project/Area Number |
22560328
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
岡田 浩 豊橋技術科学大学, エレクトロニクス先端融合研究所, 准教授 (30324495)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | AlGaN/GaN / 発光デバイス / 希土類元素 / イオン注入 / 2次元電子ガス |
Research Abstract |
本研究では、独自の試みであるイオン注入法による窒化物半導体へテロ構造に希土類元素を添加による発光デバイスの作製と、新しいナノ光源としての特性について検討を行った。 デバイスの良好な発光特性を得るためには、プロセス中のダメージ導入の回避が重要である。Euをイオン注入した窒化物半導体表面は注入後の熱処理により結晶性を回復し、バッファードフッ酸やアルカリ系現像液に対しては化学的安定性を維持するが、硫酸と過酸化水素水混合液に対してエッチングが生じることを見出し、これを避けた半導体プロセスが良好な発光特性を得るために重要であることを示した。 また、希土類元素の添加方法について、結晶成長時に添加する手法についても検討した。ホトルミネセンス測定での発光スペクトルや発光強度などから、希土類元素の結晶中の配位には差異があり、イオン注入法での導入では結晶欠陥の制御が課題であることが改めて示された。また、ダブルへテロ構造へのイオン注入では、シングルへテロ構造に比べて高抵抗化が顕著に現れ、発光特性が得られなかった。ダブルへテロ構造では発光中心であるイオンの導入と、チャネルの電気特性の同時制御が求められることが困難さの要因と考えられる。 本課題で検討した発光デバイスは、希土類元素の内殻準位の遷移に基づく発光を利用するものであり、希土類元素の励起にはトランジスタのキャリアである電子を用いる。この点は従来の半導体デバイスが電子ー正孔対の再結合に基づいている点と異なる。こうした特徴は、ナノ光源の実現において、電子のみの閉じ込め構造の設計を考えればよいという利点のほかに、放射線照射などで導入が予測される正孔トラップの影響を受けにくく、耐放射線性の高い発光デバイス実現においても有利であることを、トランジスタ構造への陽子線照射にもとづく実験結果から示し、提案デバイスの応用について新たな知見を得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(10 results)