2012 Fiscal Year Annual Research Report
液体クラスターイオンビームによる半導体加工法実用化のためのビーム強度増強
Project/Area Number |
22560329
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
龍頭 啓充 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 講師 (20392178)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高岡 義寛 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (90135525)
竹内 光明 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (10552656)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 液体クラスター / シリコン / アセトン / 半導体基板加工 / 酸化膜形成 |
Research Abstract |
本研究の目標は半導体産業等様々な産業分野において実用可能な性能を持つ液体クラスターイオンビームを生成し、液体クラスターイオンビーム技術の産業応用を実現することである。 液体クラスターイオンビームのビーム強度を増強するために、23年度までに行ったクラスター生成に用いる液体容器、超音速ノズルの製作及び超音速ノズルを通してクラスター材料を噴射する真空槽の排気装置の更新に加えて電極配置の最適化を行った。クラスターサイズ100分子以下のものを除き2.2 uA/cm2のビーム電流密度を持つ液体クラスターイオンビームが得られた。クラスター材料を噴射する真空槽とイオン化及び加速を行う真空槽の間にある差動排気用の真空槽の排気能力が不十分であることが分かったので、これを増強することによりビーム強度の増加が見込まれる。 本研究で製作した液体容器及び超音速ノズルには樹脂製真空シールを用いなかったため、クラスター材料としてアセトンの使用が可能になった。アセトンは水、エタノールと共に半導体産業で頻繁に用いられる溶媒であるが、最も単純な構造を持つケトンであるため、液体クラスターイオンビームとして固体表面に照射すると水やエタノールとは異なった化学反応の寄与が期待できる。そこで24年度にはこれをシリコン基板に照射し、照射効果について調べた。アセトンクラスターイオンビームによるシリコンのスパッタ率は同じ加速電圧におけるエタノールクラスターイオンビームによるスパッタ率と同程度であり極めて高いものであった。一方、アセトンクラスターイオンビームを照射した場合の方がシリコンの表面が強く酸化された。高いスパッタ率と強い酸化能力がシリコンに対するアセトンクラスターイオンビームの照射効果の特徴だと考えられ、新たな用途への応用が期待される。以上の結果は論文誌に受理された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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