2011 Fiscal Year Annual Research Report
窒化ガリウムを用いた細胞培養監視用pHセンサの開発
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22560332
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
敖 金平 徳島大学, 大学院・ソシオテクノサイエンス研究部, 准教授 (40380109)
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Keywords | pHセンサ / AlGaN/GaNヘテロ構造 / 窒化ガリウム / 耐環境 / 細胞培養 / GaN MOSFET |
Research Abstract |
今年度では、高感度、耐環境のpHセンサとした目標を達するために、デバイス再設計、プロヤス最適化、デバイスの評価とメカニズムの解明を行った。(1)pHセンサ素子を再設計し、デバイスを試作した。耐強酸、耐強アルカリのポリイミド保護膜を採用した。AlGaN/GaN HFETのエピ構造では、AlGaN中Alの組成が違い、またi-GaN、n-GaN、p-GaNの薄い表面層を持つAlGaN/GaN HFET pHセンサを試作した。(2)測定ホルダーを見直し、オープンゲートのセンサ部分以外の保護膜も検討した。それにより溶液リーク電流が低減したことを確認した。(3)pHセンサでpH依存性を正確に測定するため、安定なpH値を持つ3種類の緩衝溶液(pH2.43、pH4.82、pH9.58)を配制し、pHセンサの特性評価を行った。電流-電圧特性については通常のHFETと同様の特性が得られた。往復で測定する際にヒステリシスのような現象も観察した。この原因はドレインバイアスが上がっていくことにより、ムイナスイオンが半導体表面に集中しチャネル抵抗が上がったためだと考えられる。また、pH値を増加させるとしきい値電圧を正方向にシフトすることも確認できた。作用電極で測った溶液中のリーク電流は弱塩基、強酸、弱酸の順で低くなった傾向が見られた。pH間におけるしきい値電圧の平均変化量は53.1mV/pHとなり、室温での琿想値59.54mV/pHに近い値が得られた。(4)溶液中のリーク電流は半導体表面に依存することも確認した。このメカニズムを解明しようと溶液と半導体表面における電気化学反応の実験を行っている。(5)GaN結晶上に細胞培養を行い、GaN上に細胞の培養ができたことを確認した。細胞培養環境の実時間あるいは経時的に監視方法への応用に向けて自動測定プログラムを開発している。(5)シリコンISFETのようなGaNMOS型pHセンサを試すため、GaNMOSFETの研究を行うた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
溶液中リークはかなり流れていたので、センサ保護膜の選定、実装方法の検討には予想より時間をかかった。そのため、高温測定や細胞培養環境監視測定には遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
予定のとおり進めたいと思う。
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