2011 Fiscal Year Annual Research Report
複数の信号表現空間における特徴量を用いた地中レーダ用埋設物識別法の構築
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22560333
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
西本 昌彦 熊本大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (60198520)
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Keywords | 地雷探査 / 地中レーダ / 信号処理 / 特徴抽出 |
Research Abstract |
本研究では超広帯域地中レーダに用いる高精度の埋設物識別手法の構築を行うものである.本年度は,昨年度に引き続き,(1)レーダ信号からのターゲットの特徴抽出法の開発,(2)高精度識別アルゴリズムの開発,及び,(3)アレイアンテナの設計・改良とブロック化について検討を行った. (1)のレーダ信号からのターゲットの特徴抽出法に関しては,ウェーブレットを用いた時間-周波数空間における特徴量の抽出を検討した.その結果,単純な変換で得られる特徴量はノイズや地表面クラッタの影響を受けやすく,あまり有効ではないことがわかった.このため,地表面クラッタを除去するための波形校正について検討し,地表面クラッタの有効な除去法を開発した. (2)の高精度識別法の開発については,サポートベクターマシン(SVM)の適用の検討を行った.埋設物データに適用する前段階として,ALOS偏波レーダのデータに対して適応し,その特性や性能について検討を行った.その結果,SVMの特徴についての知見が得られた.実際の埋設物からのレーダ応答に対する応用は次年度予定している. (3)のアレイアンテナの設計・改良については,広帯域化と操作性の向上を目的として,アンテナの改良を行った.具体的には,アンテナ素子を高誘電率のシリコンで挟むことにより,性能の向上と軽量化を図った.その結果,アンテナの低周波域の特性向上を確認した.しかし,シリコンによるエネルギーの吸収もあると思われるため,今後,吸収特性についても検討する必要がある.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
改良したアンテナについては,期待通りの性能が得られていない等.若干,当初の予定より遅れている部分もあるが,全体としてはおおむね順調である.
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き,これまで開発してきたレーダ信号処理法の拡張と改良を行うと共に,埋設物の特徴量とその抽出法に関する検討を行う.また,実際の計測データを用いて,それらの有効性の検討を行う,識別のための特徴量としては,空間-波数解析と系列情報の利用を検討する.さらに,識別器としてSVMの適用について検討を行ってきたが,今後,実際のレーダ信号から抽出した特徴量について適用を行い,その性能と適用限界について明確にする.
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Research Products
(8 results)