2013 Fiscal Year Annual Research Report
光誘起電流変調を利用した多値化信号生成素子を創成するSiGeヘテロ接合特性の評価
Project/Area Number |
22560339
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Research Institution | Hokkaido Institute of Technology |
Principal Investigator |
藤永 清久 北海道科学大学, 創生工学部, 教授 (40285515)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | シリコン・ゲルマニウム / SOI / 電界効果素子 / バックゲート / 正孔電流 / 実効移動度 |
Research Abstract |
SOI基板上のSiGeの多重量子井戸構造を受光部とし,吸収された光により発生した正孔電流をその直下の電界効果素子で検出する素子としては、SIMOX基板の埋め込み酸化膜をゲート酸化膜に用いたバックゲート(BG) MOSFETが有力な候補となる.ここでは,SIMOX基板上に2重量子井戸構造のSiGe埋め込みチャネル型MOSFETを作製して,BG-MOSFETと通常のフロントゲート(FG) MOSFETの特性を比較し,BG-MOSFETの素子特性を検証した.素子のチャネル構造は11nm-SiO2(FGのゲート酸化膜)/1nm-Si/2nm-SiGe/2nm-Si/13nm-SiGe/12nm-SOI/59nm-SiO2(BGのゲート酸化膜)であり,SiGeのGe組成比は0.2である. 価電子帯のSi/SiGe界面のバリヤを145meVとし, 1平方cmあたりの正孔密度を1×E11と仮定して,室温での2重量子井戸構造の量子エネルギー準位を理論的に算出すると,ゲート電圧が無負荷の状態での基底準位は16meV で正孔存在率が57%であり,その次の準位は34meVで正孔存在率が28%であった.従って、この二つの準位に殆どの正孔が存在している. MOSFETのI-V特性より,ゲート酸化膜厚が59nmと厚いため,BGのしきい値電圧はFGの場合より3.5倍大きく、相互コンダクタンスはその半分以下の値であった.両素子において、実効電界の増大に対して実効移動度の減少が大きいことから,ヘテロ界面での散乱効果の影響が大きいと考えられる.これはヘテロ界面でのGeの拡散が原因であり,熱処理工程の低温化が課題となった.BGではゲート酸化膜界面付近に結晶欠陥が密集しているので実効移動度が低下すると思われたが,その影響は予想よりも小さく正孔電流検出用のMOSFETとして利用できるものと考えられた.
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)