2012 Fiscal Year Annual Research Report
センサネットワークに導入可能な低損失弾性表面波センサ装置の研究
Project/Area Number |
22560342
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Research Institution | Kogakuin University |
Principal Investigator |
疋田 光孝 工学院大学, グローバルエンジニアリング学部, 教授 (00407157)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | センサ / 弾性表面波 / 低損失弾性表面波 / センサ・ネットワーク / SAW / 低損失SAW / 水素漏洩 / 温度補償 |
Research Abstract |
将来の燃料電池自動車の水素漏洩、病院や要介護者の「におい」に着目し、それをセンシングすることを目的として研究した。センシング情報を車庫や病室に敷設したセンサ・ネットワークが検知し、住環境の維持、病状の変化等に対処するが、センサ・ネットワークのセンサノードは単一の電池で2~3年間の動作を保証する必要があり、用いるデバイスには極端な低損失化が要求される。3年間の研究で幾つかの新技術を提案し、その有効性を確認した。特に、①SAW圧電基板の温度特性に依存せず任意の圧電基盤が使用出来る自己温度補償機能を有するSAWセンサを発案した。その結果、水晶以外の圧電効果の強い基板の採用を可能にした。また、自己温度補償型SAW遅延線を設計し、実験により実際に自己温度補償機能が実現出来ることを示した。②センサ用SAW遅延線が持っている固有の伝搬損失の低減には、トランスデューサの両側にSAWのグレーツィング反射器を導入したSAW共振器を4組用いラチス回路型に結線する新しいSAW遅延線を提案した。設計/試作したSAW共振器を実際にラチス回路に組み、実験により4dBの低損失特性が得られることを示した。これにより、センサ・ネットワークのノードの一部にSAWセンサが導入可能であることを示した。③最後に、センシング感度の向上のため、ガス分子等との相互作用領域を等価的に拡大する検討を行った。SAW共振器の反射器を上下二段に分割し互いに4分の1波長シフトさせることにより、反射波が共振器内で2往復反射する、いわゆる二重反射型のSAW共振器を提案し、シミュレーションにより長時間遅延が達成出来ることを示した。これにより、SAWセンサのチップサイズを増加させずに伝搬路を大幅に増加させることが出来、センシング感度を飛躍的に改善出来る可能性を示した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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