2012 Fiscal Year Annual Research Report
匂いセンサと生物の嗅覚系を模倣した匂いセンシングシステムの開発
Project/Area Number |
22560348
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
斎藤 稔 日本大学, 文理学部, 教授 (20318330)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐伯 勝敏 日本大学, 理工学部, 教授 (60256807)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | センシング技術 / 嗅覚情報処理 |
Research Abstract |
本研究では、人工的な有機材料であるフタロシアニンやトリエタノールアミンを感応膜とした安定性・信頼性に優れた匂いセンサの開発を行う。これまでに、爆発物検知装置への応用を目指し、爆薬から発生する成分に関するデータを分析して、それに適する匂いセンサの感応膜材料の選択、センサ素子構成の検討を行った。その結果、検出対象を爆薬から発生する窒素酸化物(NOx)とし、感応膜材料としてフタロシアニン、センサ素子構成として櫛形電極あるいはSAW(Surface Acoustic Wave)デバイスを用いることとした。そして、これらの匂いセンサが NOx に対してppbオーダーから応答することを確認し、本匂いセンサの爆発物検知装置への応用の可能性が確認された。平成24年度は他の匂い物質に対する応答特性を評価した。その結果、アミン系匂い物質、二酸化硫黄に対してもNOxと同様にppbオーダーから応答することを見出した。また、爆発物検知装置への応用も含め汎用的な匂いセンサ装置の実現のため、ハンディータイプ(10cm×10cm×5cm)の匂いセンサ装置のプロトタイプを試作した。 本研究では、生物の嗅覚機構に学び、様々な匂いに対する高い識別能力を匂いセンシングシステムを実現することも試みる。これまでに、ナメクジ嗅覚系の生理実験を行い、その結果に基づいてナメクジ嗅覚系ニューラルネットワークのハードウェアモデルを構築した。平成24年度は、匂いセンサからの信号をこのようなナメクジ嗅覚系ニューラルネットワークモデルに入力できるような構成を考案し、その出力時系列パターン及びそれから再構成したアトラクタから様々な匂いを識別できる可能性をシミュレーションにより確認した。また、このナメクジ嗅覚系ニューラルネットワークモデルを上記の匂いセンサ装置のプロトタイプに搭載するため、そのIC化を可能とする回路構成を検討した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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