2010 Fiscal Year Annual Research Report
ナノアンテナ励起局所的円偏光を用いた次世代超高速光直接記録への挑戦
Project/Area Number |
22560349
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
大貫 進一郎 日本大学, 理工学部, 准教授 (80386002)
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Keywords | 電磁界解析 / 光直接記録 / 近接電光 / 円偏光 / ナノアンテナ |
Research Abstract |
1.複素周波数領域の積分方程式法による表面プラズモンの解析 計算精度の保証が可能な複素周波数領域の積分方程式法を用いて,ナノスケール金属粒子における表面プラズモンの解析を行った.本手法は,光の波長帯において,任意形状かつ複数の金属粒子に対して信頼性の高い電磁界解析が行えることを明らかにした.金属粒子のモデリングについての検討も行い,表面形状が滑らかな場合,従来より用いられる三角パッチに比べ,曲面パッチを用いることで計算コストを半分程度に低減できることを明らかにした.金属粒子の形状に対する固有モード解析では,従来法であるFDTD法に比べ,最大で数百倍程度の高速化が実現できることを明らかにした.また,超高速並列プロセッサCell/B.E.に対応した解析コードを開発し,積分方程式法を用いた3次元のフルベクトル解析では,汎用のCPUに比べて20倍程度の高速化を実現した. 2.光直接記録に向けたナノスケールアンテナの設計 現行の磁気記録速度の100,000倍を達成できる光誘起磁化反転において高密度化を実現するため,局所的な円偏光を高効率に生成できるナノスケールアンテナを設計した.円偏光を生成するアンテナは2組のダイポールアンテナから構成され,それぞれのアンテナに誘起される表面プラズモンの位相が90度ずれるようにアンテナ長を選択した.電磁界シミュレーションにより,直線偏光を入射した場合,中央部のギャップにおいてナノメートルオーダの局所的な円偏光が生成できること,入射方向を変えることで右回りと左回りの円偏光を制御できること,磁気記録媒体中においても局所的な円偏光が生成できることを明らかにした.
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Research Products
(8 results)