2011 Fiscal Year Annual Research Report
周期構造型および導波路型偏波変換・制御デバイスの開発
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22560350
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
山内 潤治 法政大学, 理工学部, 教授 (50174579)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴山 純 法政大学, 理工学部, 准教授 (40318605)
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Keywords | 光デバイス / 偏波変換器 / 偏波分離器 / 表面プラズモン / 周期構造 |
Research Abstract |
陰解法に基づくFDTD法に関しては、数値分散補正パラメータを導入した。その結果、時間刻み幅を従来の10倍近くに選んでも、許容できる精度での解析が可能となった。これにより、計算時間を大幅(従来の陽解法の10%)に短縮することに成功した。構築した手法を用いて、積層型偏光子・偏波分離器の広帯域化に取り組んだ。結果として、無反射コーティングの最適設計により、波長1μmから2μmの帯域にわたり、90%以上の透過率を達成した。さらに、表面プラズモンを応用したサブ波長グレーティングからなる偏波分離器の動作メカニズムを解明した。TE波の導波モード共振、TM波の表面プラズモン共振、両モードに共通なファブリペロー共振の3種類の共振現象を利用することで、要求に応じた波長特性を有する偏光子を設計できることを明らかにした。 導波路型偏波変換器に関しては、ナノ構造に光を閉じ込める導波路として注目されているスロット導波路を用いた変換器を開発した。スロット導波路の片側の高さを変える、あるいは一部を欠損させ、非対称構造を生み出すことで、15dB以上の消光比を維持しつつ、デバイス長を10μmという短軸長で偏波変換が可能になることを見出した。さらに、この研究の過程で、誘電体チューブ導波路の低損失化に関する条件を導出することに成功した。チューブ導波路は新たなナノ構造導波路として最近見直されており、チューブ導波路における偏波変換の可能性を探る基礎資料を得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
LOD-FDTD法の数値分散誤差の低減のために数値分散補正パラメータを導入に成功し、結果として、大幅な計算時間短縮に成功した。2次元構造のみならず、実用上重要となる3次元構造においても有効性を実証した。BPMに関してはFundamental法の応用により計算効率を改善できた。研究の過程で、チューブ導波路の最小損失条件を算出できた。
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Strategy for Future Research Activity |
チューブ導波路の中空部をナノ構造にすることで、低損失な導波路として動作することが分かってきており、これまで検討してきた偏波変換器の概念を応用し、新たな偏波変換器の構築を目指す。特に、中空コアを45度回転させると、低損失性が顕著となる見通しを得ており、この構造においても偏波変換の可能性を検討していく。
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Research Products
(15 results)