2011 Fiscal Year Annual Research Report
強誘電性液晶を用いた集積形波長可変フィルタアレイ回路の研究
Project/Area Number |
22560351
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Research Institution | Kanagawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
中津原 克己 神奈川工科大学, 工学部, 教授 (70339894)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中神 隆清 神奈川工科大学, 工学部, 講師 (20267636)
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Keywords | 波長可変フィルタ / 光導波路 / 波長多重通信 / 液晶 / 共振器 / 波長選択動作 |
Research Abstract |
光通信ネットワークで活用されている波長多重通信技術のさらなる発展には、低消費電力で動作し、高密度に集積可能な波長可変フィルタが不可欠である。本研究では、双安定性を有する強誘電性液晶と高屈折率で光閉じ込めが強いシリコン導波路を用いることで、状態維持電力が不要で低消費電力動作が期待でき、超小型で高密度集積が可能な波長可変フィルタを開発し、さらに、それらを1チップ内に集積化した集積形波長可変フィルタアレイの動作実証を目指している。集積型波長可変フィルタアレイ回路の実現のために、基本要素となる波長可変フィルタの開発および性能向上を行い、主に次の3項目についての研究成果が得られている。 (1)複合共振器形波長可変フィルタの性能向上 低電圧動作に必要な薄い液晶層厚を実現するための液晶注入プロセスを検討し、基本技術を確立した。得られた技術を複合共振器導波路の設計・製作プロセスに反映させ、消光比の増大、波長特性のシフト量等の性能向上が得られた。 (b)強誘電性液晶装荷Siグレーティング導波路 本研究課題の研究過程において着想に至った強誘電性液晶装荷Siグレーティング導波路の製作と評価を行い、評価結果のフィードバックにより、製作技術と素子性能の向上が得られた。 (c)波長特性の可変量増大の検討 強誘電性液晶の配向条件およびシリコン導波路の構造パラメータを理論的及び実験的に検討し、従来よりも大きな効果となる見通しが得られた。 以上の成果は、本研究が目指す集積形波長可変フィルタアレイの開発に向けた着実な進展を示しており、また、シリコンフォトニクスの分野においても新たな動的機能を実現する手法として貢献できるものと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題開始時の基本素子である複合共振器型導波路を用いた波長可変フィルタの動作原理の実証と性能向上が得られている。これまでの素子製作技術をもとに、さらなる微細加工技術を開発し、本研究課題の研究過程において着想に至った強誘電性液晶装荷Siグレーティング導波路についても、基本動作の実証に成功し、集積化に適した波長可変フィルタの実現の見通しが得られている。このような状況をもとに、本研究の課題達成に向けての遂行状況は概ね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
強誘電性液晶装荷Siグレーティング導波路をもとに、波長可変フィルタの低電力動作の実証及び集積型波長可変フィルタアレイの実現を図る。本研究課題を通して得られた成果をまとめ、波長多重通信ネットワークの発展に寄与する新機能デバイスの検討を行う。
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Research Products
(7 results)