2011 Fiscal Year Annual Research Report
ミリ波・テラヘルツ波帯低価格・高性能プリント回路の研究
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22560354
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Research Institution | Kure National College of Technology |
Principal Investigator |
黒木 太司 呉工業高等専門学校, 電気情報工学分野, 教授 (30195581)
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Keywords | 情動伝送工学 / テラヘルツ / 高周波伝送線路設計 / 電磁波伝送路 / プリント伝送路 / 帯域フィルタ |
Research Abstract |
本研究の目的は、周波数利用が錯綜している昨今、その開発が期待されているミリ波電磁波帯、更には電波と光波の谷間でその利用技術の確立が興味深いテラヘルツ波電磁波帯において、従来のプリント伝送線路に比べて格段に伝送損失が低減され、しかもこのような超高周波帯電磁波利用促進を妨げる大きな要因である「回路の高価格化」を解消した、低価格で提供されうる新たなプリント伝送線路を創出することにあり、今年度は、まず低価格FR-4基板の誘電定数を2GHzから60GHz帯と広範な周波数帯域にわたり精密に測定した。その結果、FR-4基板の面方向誘電正接は周波数とともに減少するという現象を見出し、低価格なFR-4基板がミリ波より高いテラヘルツ波帯でより低損失かつ有用性が高いという予測を示すことができた。 次にFR-4基板で構成した60GHz帯両面金属装荷トリプレート伝送線路(BITライン)に半導体素子を実装するための基本検討を行った。具体的にはガンダイオードを実装したミリ波発振器実現への理論検討ではあるが、簡便な構造で位相雑音が-100dBc/Hz(100kHzオフセット)という低雑音な発振器ができる可能性を示した。 最後に、BITラインと構造を異にするが、全くプリント線路を固定する誘電体基板を用いずとも伝送線路が形成できる新たな導波構造を見出した。その低損失性を確認するため取り急ぎ35GHz帯でこの新たな導波構造による帯域フィルタを設計試作したところ、挿入損失1dB以下の良好な特性が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ミリ波帯における材料特性は劣悪であるが、低価格材料として極めて魅力的なFR-4基板をミリ波で利用することが出来る導波構造を理論実験両面により明らかにしたため。
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Strategy for Future Research Activity |
・Brrラインを用いたパッシブ回路素子及びミリ波発振素子の設計試作 ・Brrラインと整合可能なミリ波平面アンテナの設計試作 ・Brrラインに代わる新たな低価格導波構造の実証
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Research Products
(14 results)