2011 Fiscal Year Annual Research Report
複素信号処理のための低電圧動作アナログ信号処理回路
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22560356
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Research Institution | Kitami Institute of Technology |
Principal Investigator |
谷本 洋 北見工業大学, 工学部, 教授 (20322886)
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Keywords | 3相複素信号処理 / 低電圧動作OTA / CMOSインバータ |
Research Abstract |
本年度は昨年度に実施した回路設計の検討結果に基づき,LSIの詳細回路設計とレイアウト設計,およびLSIの試作を実施した.試作したLSIの内容を下記する. 1.3相アナログ複素フィルタLSI:昨年度の解析により判明した,複素リープフログ回路で実現すると零相抑圧回路が省略できることを実証するため,そのLSIを設計・試作した.本フィルタを設計するために必要な,高利得のCMOSインバータによるOTAを,3段構成で設計して使用している.シミュレーション上は約90dBの利得が得られている. 2.4相可変RCポリフェーズフィルタLSI:可変素子としてMOSキャパシタを利用したRCポリフェーズフィルタを設計・試作した.さらに,MIMキャパシタの下部電極にdriven shield技術を適用した,従来の設計で問題たった高域での利得低下を避けることができるRCポリフェーズフィルタも石器絵・試作した. 3.0.5Vで動作する全差動OTA:CMOSインバータを用いた2段構成の全差動OTAを設計・試作した.0。5V動作を実現するため,CMOSインバータのバックゲートを0.5Vの順バイアスにし,実効的に閾値電圧を下げる工夫をした.さらに,入力をバックゲートから加えるタイプのCMOSインバータを使って構成したOTAも同時に設計・試作した. このように,0.5Vないし1.OVの低電源電圧で動作する全差動OTAを設計し,それを用いて無線通信に必要な3相および4相のアナログ複素フィルタLSIを設計・試作した'(0,18umCMOSプロセスにて試作).なお,試作したLSIチップは3月下旬に入手しており,最終年度(H24)はそのLSIを測定・評価する予定.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の目標である,LSIの設計・試作が完了したこと.LSIに搭載した回路には0.5Vで動作するOTAなど,野心的なものが含まれている.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は試作LSIチップを評価し,提案した回路の有効性を実証する.
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Research Products
(4 results)