2012 Fiscal Year Annual Research Report
フィルム映像劣化の多次元信号処理モデルと修復アルゴリズムの開発
Project/Area Number |
22560357
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
川又 政征 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70153004)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八巻 俊輔 東北大学, 国際高等研究教育機構, 助教 (10534076)
|
Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
|
Keywords | 多次元信号処理 / フィルム映像 / 位相限定相関 / 位置ずれ / 位相変動 / 方向統計学 |
Research Abstract |
歴史的文化的資産である古いフィルム映像が経年劣化や使用時の損傷などにより年々大量に失われつつある.このため,ディジタルアーカイブとして保存するために,計算機によるフィルム映像の修復が現在急務となっている.本研究では,非商業的な記録フィルム映像等を対象とし,フィルム映像の劣化の多次元信号処理的モデルを構築するとともに,超高精細ディジタルシネマ(4K,4096 x 2048画素,12ビット精度)として蓄積・閲覧およびネットワーク配信が可能な高精度な映像修復アルゴリズムの開発を目的とする. 1.位相限定相関法に基づく古いフィルム映像の位置ずれ推定のためのサブピクセル精度のいくつかの推定法の精度の比較を行った. 2.映像の位置ずれの計測のために用いる位相限定相関法の基礎的性質を解析した.位相限定相関関数において,位相変動がある場合に,これが位相限定相関のメインローブとサイドローブに与える影響を解析した.位相変動が確率的であると仮定し,位相限定相関の期待値と分散を解析した.本年度は特に位相変動の確率的仮定をより現実的にするために,信号が実数値の場合の位相変動による位相相関関数の解析を行った.この結果,位相変動の分散が大きくなると,位相限定相関のメインローブは減少し,サイドローブは増加することを明らかにした.この結果は,これまで経験的に用いていた位相限定相関の理論的根拠を与えるものである. 3.上記の位相限定相関関数の解析と方向統計学の関係を明らかにした.方向統計学の考え方を用いると,位相の確率的変動に起因する位相限定相関関数の平均と分散の解析結果が方向統計学にける角度データの平均と分散によってきわめて自然な形で表現され,位相限定相関関数の性質の数学的基礎が明らかになった.
|
Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(14 results)