2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22560360
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
満保 雅浩 筑波大学, 大学院・システム情報工学研究科, 准教授 (60251972)
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Keywords | 条件付き暗号 |
Research Abstract |
暗号技術の社会での利用の拡大と情報セキュリティに求められる技術自体への社会の要請の多様化に伴い、多様な特性を持つ暗号技術の研究開発の重要性が高まっている。そこで、従来の暗号技術を包含する、与えられた条件が成立した場合にのみ処理が実現される、条件付き暗号技術について研究を行っている。 既存の条件付き暗号技術についての調査研究を進めていく過程で、一部の条件付き暗号技術において、条件の付け方が十分でない場合があった。条件付き暗号技術では条件の付け方が重要な役割を果たすため、条件の設定方法やその実現方法の妥当性を中心に先に研究を行った。 暗号における条件は、属性暗号や述語暗号、さらには、それらを包含する概念である関数暗号において復号を実現するための条件として与えられ、検索可能暗号のような暗号形態では復号対象となる暗号文を抽出するための条件として与えられる。後者においては、条件に関わる情報が暗号文に付加される。メッセージのみならず、このように付加された情報の中身なども漏洩しないように、条件が構成される必要がある。条件に汎用性を出すために、任意の文字に置き換え可能な記号の使用を許すなどにより、条件の記述能力を高めた場合、その過程で、新しい攻撃の可能性が生まれ、設定した条件に抜けが生じる恐れがある。このような事例について考察すると共に、より汎用性を持たせつつ、抜けが生じない条件設定の仕方およびその条件の下での暗号の構成方法について検討を行った。
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