2011 Fiscal Year Annual Research Report
理論的圧縮限界を目指した超高精細動画像信号の可逆圧縮
Project/Area Number |
22560361
|
Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
加藤 茂夫 宇都宮大学, 工学研究科, 教授 (00143529)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 まどか 宇都宮大学, 工学研究科, 准教授 (80322014)
田中 雄一 宇都宮大学, 工学研究科, 助教 (10547029)
|
Keywords | 情報通信工学 / 画像データ圧縮 / 情報源符号化 / 可逆圧縮 / 動画像信号 |
Research Abstract |
優れた絵画・彫刻や伝統芸能などのような後世に遺すべき人類の文化遺産を電子メディアに記録する際には,たとえどんなに高画質での圧縮が可能であっても非可逆符号化によって保存すべきではない.本研究者らは,このような考え方のもとに,可逆符号化をベースとした超高精細画像符号化伝送システムの基本概念の構築を進めている. 超高精細画像符号化伝送システムは符号化モデル部とエントロピー符号化部に分けて考えられる.符号化モデル部については,フレーム間動き補償とマルコフモデル符号化を併用した手法を検討しているが,平成23年度は,マルチフレームを用いた動き補償の効率化及び高速化を提案した.動き補償の効率化については,双方向動き補償を用いて中間のフレームを作成する手法を提案している.ここで開発した手法はフレームレート変換の一手法であるが,これを超高精細画像信号のフレーム間符号化に援用することは可能であり,効果的な圧縮が期待できる.また,マルチフレーム動き推定を高速化する手法として,参照フレームにおける動き推定によって得られた符号化コストが閾値を下回った場合,そのフレーム以降における動き推定処理を打ち切ることで動き補償の高速化についての提案を行い,良好な結果を得た. 次に,エントロピー符号化については,原理的に高効率の符号化手法として知られている算術符号について,情報源拡大を行うことにより符号化及び復号の処理時間を劇的に短縮する手法を開発した.これらの成果を組み合わせることにより,超高精細画像符号化伝送システムの枠組みを構築した.なお,これらの成果は種々の国際会議や学会研究会などで報告している.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
超高精細画像符号化伝送システムの基本ブロックである符号化モデル部とエントロピー符号化部それぞれについて一定の成果を得ており,研究計画はおおむね順調に進展していると判断できる.
|
Strategy for Future Research Activity |
次年度が本研究の最終年度となる.そこで,今後は,符号化モデル部とエントロピー符号化部それぞれについでこれまでに開発した手法を組み合わせ,超高精細画像符号化伝送システムの枠組みを完成させるとともに,符号化および復号シミュレーションを行い,方式の性能を評価する.さらに評価結果とその考察に基づいて,開発した方式のブラッシュアップを図る.なお,非可逆符号化から可逆符号化までを単一方式でシームレスな符号化を高速に行うシステムの可能性についても検討し,今後,超高精細画像符号化における新しいテーマを発掘し,新たな研究として発展させていく.
|
Research Products
(24 results)