2012 Fiscal Year Annual Research Report
LDPC行列を用いたSlepianーWolf符号化システムの実現と性能評価
Project/Area Number |
22560362
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
植松 友彦 東京工業大学, 理工学研究科, 教授 (60168656)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | Slepian-Wolf符号化 / LDPC符号 / 情報源符号化 |
Research Abstract |
複数の情報源の符号化を論ずる多端子情報理論における最も基本的なモデルとしてSlepian-Wolfシステムがある。Slepian-Wolfシステムとは、相関を有する2つの情報源からの出力系列をそれぞれ独立に符号化し、得られた2つの符号語から2つの情報源の出力系列を復元するデータ圧縮システムである。Slepian-Wolfシステムに用いる符号の理論解析は数多く行われており、最良の圧縮率を達成できる符号が、列重みが制限されたLDPC(低密度パリティ検査)行列を用いた線形符号のなかに存在することが示されている。しかしながら、実用的な符号の構成法は未知のままである。 本研究では、LDPC行列による線形符号を利用したSlepian-Wolfシステムについて、情報源の統計的性質が未知の場合にも利用可能であり、復号の計算量が符号長の線形オーダーで済み、かつ符号化率を自由に変化させることのできる符号の研究を行い、実用的な符号を明らかにすると共に、そのような符号の設計指針を与えるものである。 本年度は、2つの符号器が独立に符号化を行う際に同期が取れない場合の符号化について検討を行った。その結果、符号器間の同期ずれの大きさ(「遅延時間」と呼ぶ)と符号長との比が、符号長を長くするに従って零に収束する場合、符号長が長くなるにつれて誤り率が零に収束する符号が、遅延時間によらず存在することを示した。次に、無記憶情報源について、遅延時間と符号長との比が符号長を長くするに従って零に収束する場合、2つの符号器のレート対が情報源によって定まる達成可能領域の内部に属するならば、符号長が長くなるにつれて誤り率が零に収束する符号が、遅延時間ならびに情報源の確率分布によらず存在することを示した。更に、上記の符号は全て、LDPC行列を用いることで構成できることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(1 results)