2011 Fiscal Year Annual Research Report
次々世代セルラ移動通信システムにおけるセル間無線資源制御による高容量化技術の研究
Project/Area Number |
22560371
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
森 香津夫 三重大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90324540)
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Keywords | 無線資源管理 / 高容量化技術 / キャリア・アグリゲーション / セル間 / 協調制御 / 移動通信 / 次世代システム / IMT-Advanced |
Research Abstract |
本研究では,次世代セルラ移動通信システム(IMT-Advancedシステム)の下り回線通信(OFDMA方式による多重化を採用)において高容量化・高機能化が可能な新たな無線システム制御技術を確立することを目的とする.研究対象システムに採用されるキャリア・アグリゲーション(Carrier Aggregation : CA)技術に着目し,CA技術をセル間の通信チャネル(コンポーネント・キャリア:CC)に適用するセル間CA技術を確立することにより,システム容量の高容量化と空間的不均一トラヒック分布によるセル間通信品質の不均一化の緩和を目指す.本年度は,研究期間の中間年度に当たる. 本年度は,主課題であるセル間CA技術に関して,前年度に進めた基本的枠組検討(周波数チャネル資源と送信電力資源のセル間高効率利用技術の検討)を踏まえた詳細な制御手法についての研究を進めた.具体的には,移動局(UE)においてCAを行うCCの隣接を含む複数基地局(eNB)からの割当制御に関して,リソースブロック(RB)単位での割当制御の具体的な制御手法について検討を進めた.検討の結果,RB割当は2段階(通常割当と追加割当)の割当制御で実施すること,および,追加割当制御では,通常割当RBによる通信への干渉回避が必要であることが判明した.この干渉回避に対する対応策についても検討した.さらに,各UEへ割当られたRBにおける送信電力制御法の具体的制御方式についても研究を進めた. これらの検討により得られたセル間CAの具体的制御方式の特性評価を,計算機シミュレーションにより実施した.本年度のシミュレーションではより具体的な評価として,フェージング・チャネルモデルに3GPP準拠のモデルを用いた.特性評価の結果,提案手法ではセル間CAを実施しない従来手法と比較して,UEスループットと伝送遅延特性が向上することが明らかとなった.また,空間不均一トラヒック環境において,セル間CAの導入により,セル間の通信品質の差異が縮小することを示した.本年度は,研究成果発表を積極的に実施し,国際学会2件(査読有1件),国内学会2件の成果発表を行っている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究フェーズを3段階に分けた研究計画を申請時の研究計画調書に記載しているが,本年度はその第2段階の研究項目について検討を進めており,本年度が研究期間の中間年度であることから,概ね計画通りの研究進捗であると判断できる.また,現時点までに大きな問題なども発生しておらず,今後も計画調書に従った研究進捗が見込めるものと判断できる.したがって,上記のような自己評価を行っている.
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Strategy for Future Research Activity |
計画調書に記載の研究計画どおりに今後の研究も進める.前項でも記載したように,現時点までの研究進捗は概ね順調であるため,今後もこれまで通りの推進方法で研究を進める予定である.今後の計画の変更,あるいは,研究を遂行する上で問題(障害となる事項)等はないと考えている.
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