2010 Fiscal Year Annual Research Report
送信協調型ビーム形成法を用いたセンサネットワークシステムの提案
Project/Area Number |
22560379
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
冨里 繁 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 准教授 (60362951)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田野 哲 京都大学, 大学院・情報学研究科, 准教授 (80378835)
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Keywords | センサネットワーク / 適応アンテナ |
Research Abstract |
22年度は,(1)適応ビーム形成法の検討,(2)センサ間同期方式の検討を行った. (1)適応ビーム形成法の検討 各センサに無指向性アンテナを備え,複数のセンサのアンテナをアレーアンテナの給電素子と見なして,送信センサが協調してビームを形成する適応ビーム形成法を検討し,計算機シミュレーションにより,受信品質改善効果と消費電力低減効果を評価した. 受信品質改善効果については,ビーム形成に用いるセンサ数を3とすると,受信平均BERにおける所要平均Eb/NO特性が,ビームを形成しない場合と比較して,12.3dB改善することを明らかにした. 消費電力低減効果については,ビーム形成に用いる送信センサ数を3とすると,消費電力を94%低減できることを明らかにした.また,送信センサ間の送信位相誤差が大きい場合,さらに受信センサ間でも協調することにより大幅な省電力効果が得られることが分かった.このとき,受信センサ数を3とすると,送信センサ間の送信位相誤差が50°の場合,消費電力を89%低減できることを明らかにした. さらに,このビーム形成法をフェージング変動がある伝送路に用いた場合の受信特性について計算機シミュレーションで評価した.評価結果から,フェージング変動がある場合においても,センサの移動が歩行速度程度であれば,本ビーム形成法が有効に動作することを示し,センサネットワークにおいて安定的な通信を実現できることを明らかにした. (2)センサ間同期方式の検討 基準となるセンサのタイミングに他のセンサが合わせる従属同期方式を基本とし,送信センサから参照キャリア信号やタイミング信号を送信し,その信号に同期して協調センサが信号を送信する手法について検討し,その構成法を決定した
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Research Products
(3 results)