2011 Fiscal Year Annual Research Report
送信協調型ビーム形成法を用いたセンサネットワークシステムの提案
Project/Area Number |
22560379
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
冨里 繁 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 准教授 (60362951)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田野 哲 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (80378835)
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Keywords | センサネットワーク / 適応アンテナ / ビーム形成 |
Research Abstract |
23年度は,(1)適応ビーム形成法における適応送信法,及び(2)送信センサ間高精度同期方式の検討を行った. (1)適応ビーム形成法における適応送信法 各センサに無指向性アンテナを備え,複数のセンサアンテナをアレーアンテナの給電素子と見なして,送信センサが協調してビームを形成する適応ビーム形成法について,送受信センサ間の伝搬路の状況に応じて協調送信センサを選択する適応送信法について検討し,計算機シミュレーションにより,受信品質改善効果を評価した. 送信センサ間の位相誤差を0°とした場合の評価結果から,伝搬路状況に応じて適切な協調送信センサを選択することにより所要平均E_b/N_o特性において1.5~3.1dBの改善量が得られた.また,送信位相誤差を50°とした場合においても所要平均E_b/N_o特性は1.2~1.9dB改善する.以上のことから,適応送信により送信位相誤差が大きい場合でも受信特性改善効果が得られることを明らかにした. (2)送信センサ間高精度同期方式の検討 マルチパスに起因した符号間干渉と同一チャネル干渉が存在する環境で,送信センサ間のオフセット周波数を高精度に推定することが可能になる手法を提案し,シミュレーションにより推定精度を評価した.提案手法では,受信パイロット信号を用いて生成した相関行列を固有値分解し,求めた固有値の最大値に対応する固有ベクトルからオフセット周波数を推定する.評価結果より,提案手法を用いると,マルチパス環境下で同一チャネル干渉がある場合,送信チップ周期で正規化した周波数オフセットが1.0×10^3のとき推定誤差を1.0×10^4以下に抑えることが可能であることが分かった.この結果から,提案手法によりマルチパス環境下で同一チャネル干渉が存在する環境において,高精度なオフセット周波数推定が可能であることを明らかにした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
適応ビーム形成法について,改良手法の検討が順調に進捗し,また,ビーム形成時に問題となる周波数オフセットについても,高精度に推定する手法の基本検討を終えることができた.
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Strategy for Future Research Activity |
センサネットワークの協調ビーム形成時に問題となる周波数オフセットについて,さらに高精度に推定する改良手法の検討を進める.これらの手法を適用することにより,本検討において性能評価している協調ビーム形成法が,実用的な評価条件で有効であることを明らかにする.
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