2011 Fiscal Year Annual Research Report
可逆的情報ハイディングを利用した安全、便利なQRコードシステムの研究開発
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22560382
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
新見 道治 九州工業大学, 大学院・情報工学研究院, 准教授 (20269088)
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Keywords | QRコード / Wet Paper符号 / 可逆的情報ハイディング / 二値画像 |
Research Abstract |
年度当初の交付申請書には三つの研究目標を挙げた。具体的には1)可逆的情報ハイディングに対するWet Paper符号の適用可能性の調査、2)QRコードの二次元マークに対して提案する可逆的情報ハイディングの適用、3)QRコードへの情報重畳として、終端マーカーニード以降を利用したデータ多重化の検討、である。まず1)の成果について述べる。Wet Paper符号は直接埋め込み方式と比較し,てビット変更を低減することが可能な埋め込み用データの符号化、抽出方式である。この符号化方式を用いて、可逆的情報ハイディングの一分応用野である二値画像の改ざん検出技術を考案できた。原画像から計算されたハッシュ値をWet Paper符号で埋め込み、さらにビット変更が行われた箇所の情報を圧縮したデータを二値画像に直接埋め込む。シミュレーションの結果128ビットのハッシュ埋め込みのために、Wet Paper符号では約30ビットが変化し、変化箇所の圧縮データは約380ビットとなった。画像全体に対して380ビットを乱数で分布させれば、その箇所を変更したとしてもコンテンツの価値を守るという観点からは問題にならないと思われる。3)の成果について述べる。QRコードには終端マーカーコードが出現すると、それ以降のデータは読まない、という規格がある。これを利用して、終端マーカーコード以降に付加情報を埋め込む技術をJavaにより実装した。シミュレーションの結果、埋め込み可能な情報量は、型番2の場合56ビット、強制的に型番10に変更した場合1968ビットとなった(誤り訂正レベルをLとした場合)。誤り訂正レベルをHとした場合は、それぞれ72ビット、752ビットとなった。強制的に型番を大きくすることにより、十分な埋め込み容量を確保できることを確認した。なお、2)については実現できていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
Wet Paper符号の可逆的情報ハイディングへの適用検討に想像以上に時間を取られた。さらに、JABEE審査用資料作成、電子情報通信学会第1種研究会立ち上げ(マルチメディア情報ハイディング・エンリッチメント研究会1年目)にかなりの時間を取られてしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
まずは2)を早急に実現する。その後、3)の方式との技術此較を行う。その上で、QRコードの価飽を高めるアプリケーション実現を試みる。QRコードのデータコード化の部分は、昨年度すでにJavaで実装済みなので、今後は予定通りに研究遂行することは十分可能である。
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