2010 Fiscal Year Annual Research Report
次世代ユビキタスネット社会のための円偏波用多周波共用平面アンテナの開発
Project/Area Number |
22560383
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
藤本 孝文 長崎大学, 生産科学研究科, 准教授 (40264204)
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Keywords | 情報通信工学 / アンテナ工学 |
Research Abstract |
提案するアンテナは、方形パッチ平面アンテナの各エッジに、1組のL字スリットを装荷した形状をしている。このL字スリットの形状パラメータとアンテナ特性(最小軸比、最小軸比時の周波数、3dB以下となる軸比の周波数帯域幅)との関係を数値シミュレーションにより明らかにし、アンテナの設計手順、広帯域化法について調査を行った。数値解析には、モーメント法に基づく電磁界シミュレータを使用している。また、調査周波数は、GPSのL1バンド(中心周波数1.575GHz)、L2バンド(中心周波数1.227GHz)帯にて行った。以下に明らかになった点をまとめておく。 1.アンテナの設計法について L字スリットを装荷したことにより生じる方形パッチの縦と横方向エッジのT字素子幅の比R_Tを調整することにより、2つの周波数帯で円偏波軸比が調整可能となる。しかし、L1バンドとL2バンドでの円偏波が放射可能なR_Tの値は異なる。そこで、L字スリットの長さLsについて調査したところ、L字スリットの長さを調整することにより、2つの周波数帯で同時に円偏波が放射可能なR_Tが存在することが明らかになった。 2.アンテナの広帯域化について 円偏波発生周波数における電流分布はT字素子部に強く生じている。そこで、T字素子幅を変化させ、3dB以下となる周波数帯域幅の数値シミュレーションを行った。その結果、T字素子幅を広くすると、2つの周波数帯域幅の合計値も大きくなることが明らかになった。 3.シミュレーション値と測定値の比較 アンテナを試作し、リターンロスの測定を行い、数値シミュレーションとの比較を行った。その結果、最良リターンロス時の周波数の相対誤差は、L1バンドとL2バンド共に2%未満となり、シミュレータによる計算結果の信憑性を確認した。
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