2011 Fiscal Year Annual Research Report
次世代ユビキタスネット社会のための円偏波用多周波共用平面アンテナの開発
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22560383
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
藤本 孝文 長崎大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (40264204)
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Keywords | 情報通信工学 / アンテナ |
Research Abstract |
提案するアンテナは、方形パッチ平面アンテナの各エッジに、1組または2組のL字スリットを装荷した形状をしている。1組であれば2周波共用アンテナ、2組であれば3周波共用アンテナとなる。調査周波数は、2周波共用アンテナでは、GPSのL1バンド(中心周波数1.575GHz)、L2バンド(中心周波数1.227GHz)、3周波共用アンテナでは、上記の2つに加えGPSのL5バンド(中心周波数1.176GHz)にて行った。以下に明らかになった点をまとめておく。 1.円偏波用2周波共用アンテナについて シミュレーションによりL字スリット間の幅を広くすることにより,3dB以下となる軸比の周波数帯域幅を広げることが可能であることを明らかにした。また、給電法をパッチ導体へ直接同軸給電する方法から、アンテナをスタック化し、L字プローブ給電法に変更した。このことにより、2つの周波数帯でインピーダンスマッチングが可能となり、リターンロスの周波数帯域幅の広帯域化が可能となった。これらの軸比およびリターンロスの広帯域化法を踏まえ、GPSのL1、L2バンド共用アンテナの設計を行った。軸比3dB以下かつリターンロス-10dB以下となる周波数帯域幅はそれぞれ6MHz、5MHzとなり、目標値である5MHzを共に達成した。 2.円偏波用3周波共用アンテナについて 2組のL字スリットの長さを調整することにより、GPSのL1、L2、L5バンドへのチューニングが可能となり、特に、L字スリットをクランク状に曲げることにより、アンテナの大幅な小型化を可能にした。また、L字スリットの装荷位置により軸比の調整が可能となった。これらの結果を踏まえGPSの3周波帯において、軸比を3dB以下にすることに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本課題では、2周波および3周波共用アンテナの設計を目標としている。2周波共用アンテナに関しては理論的な解析は終了し、最終年度(平成24年度)でアンテナの試作、実験を行い、アンテナの実現性について評価を行う。また、3周波共用アンテナにおいては、周波数帯域幅以外の設計は終了している。最終年度で、2周波共用アンテナの解析で得られた結果をもとに3周波共用アンテナの最終設計を行う。残された課題を考慮すると、本研究は最終年度で終了可能である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度は、2周波共用アンテナに関しては、アンテナの試作、測定を中心に研究を進め、これまでのシミュレーション結果の精度および提案するアンテナの実現性を評価する。アンテナ試作は申請者が所有する基板加工機を用いて行う。また、アンテナ特性の測定に関しても、申請者が所有する伝搬暗室、ネットワークアナライザーを用いて行う予定である。3周波共用アンテナに関しては、これまでと同様に、モーメント法に基づく電磁界シミュレータと有限差分時間領域法に基づく電磁界シミュレータを用いてアンテナの設計を行う。さらに、2周波共用アンテナと同様にアンテナの試作、測定を行う予定である。
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Research Products
(8 results)