2011 Fiscal Year Annual Research Report
小型無線装置のための小型・低姿勢・高機能アンテナの設計方法の構築
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22560384
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
福迫 武 熊本大学, 大学院・自然科学研究科, 准教授 (90295121)
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Keywords | 小形アンテナ / 設計方法 / 低姿勢アンテナ / 高機能アンテナ / 円偏波アンテナ |
Research Abstract |
低姿勢な構造を有するアンテナ設計法について,いくつかの興味ある成果を見出した. 1.マイクロストリップアンテナに広義のメタマテリアルの一種である人工グラウンド構造という周期構造を用い,さらにグラウンドを大きくして,6GHz帯に対して30%という広い帯域において円偏波を発生できる低姿勢アンテナを開発した.この数値まで帯域を広げた低姿勢なアンテナはこれまで例が見られない.前年の成果である24%を超えることができた. 2.広帯域円偏波の構造については,L型プローブとスロットの組み合わせを工夫した新しい構造において,帯域が7~11GHz帯でUWBハイバンドを円偏波でカバーできた.群遅延も一定であり,UWB応用が見えてきた.また,スロットと組み合わせた平面形構造においても,新しい設計方法を提案し,40%以上の円偏波帯域を実現した. 3.金属背面板を有する電気的小形アンテナの設計方法を確立し,そのアンテナゲインの検討やQ値の検討をした.これまで良く使われていた逆F形アンテナより,本質的に放射効率がたかくなることを見出した. 4.MIMO用逆F形アンテナアレーにおいて,グラウンドに半波長のスリットを設けることで,アンテナ間の結合を抑制できることを見出し,原理的な考察を行った. 5.ドッグボーン型ストリップアレーにより,低姿勢でビーム制御可能なアンテナを開発した. 6.ヘリカルエレメントを用いて,細長い形状の円偏波アンテナを開発し,さらに携帯端末を考慮したグラウンド板との併用で,ゲインを向上できることを示した.(以上631字)
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
時間的な経緯に関する進捗については,ほぼ計画通りであるが,ドッグボーン構造等,低姿勢アンテナに関して,当初予定していた構造以上に多くの構造を提案できた.さらに,低姿勢形アンテナで予想以上の放射効率を実現することができた.また,広帯域アンテナについても,予想以上に帯域を広げることができた.これは,高次モードの抑制が理由であるが,かなり基本的なアプローチであるため,応用は広い.
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Strategy for Future Research Activity |
小形アンテナについては,予想以上の放射効率であるが,帯域を少し広げたい.また,さらには,円偏波広帯域アンテナを応用したUWB通信等の応用を検討する. また,小形端末にMIMO用のアレーアンテナの設計について検討する予定である.
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Research Products
(24 results)