2010 Fiscal Year Annual Research Report
高セキュリティ化・経済化を実現する光アクセス網に関する研究
Project/Area Number |
22560386
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
辻岡 哲夫 大阪市立大学, 大学院・工学研究科, 講師 (40326252)
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Keywords | 光通信システム / 光加入者網 / 符号分割多元接続 / 光CDMAシステム / 光直交符号 / 可変チップレート / 可変長符号 / 可変重み |
Research Abstract |
光アクセス網の一構成法である光符号分割多元接続(光CDMA)は,全光処理による物理層でのセキュリティ確保に適する.本研究では,異なるチップレートの符号が混在する場合であっても直交性を維持できる新しい光直交符号を開発し,光アクセス網における高セキュリティ化と経済化を実現する柔軟な光CDMAシステムを構築することを目的としている. 平成22年度は,ビットレートが等しい場合について検討を行った,直交性の条件が最も厳しいStrictな光直交符号について,符号の存在範囲を光パルス間隔の分布に基づいた解析した.チップレート比,チップレート種類数,符号長,符号重みを与えた場合に得られる最大の符号語数を理論的に明らかにした.更に,計算機探索によって実際の符号を発見し,その実現可能性を示した.続いて,ビット誤り率特性の評価を計算機シミュレーションと理論解析の両面から行った.過去の文献では,チップ同期が取れている最悪ケースでのビット誤り率特性を組み合わせ論によって評価している.本検討では,チップ同期が取れていない場合での厳密な解析を行い,より実際の性能に近い特性を得ることに成功した.具体的には,チップレートが異なる場合の相互相関特性を求め,アクティブユーザ数に応じた多重畳み込み積分を行い,光相関器の出力値がしきい値を超える確率を理論的に導出した.数値積分の結果と計算機シミュレーションの結果の比較から,解析結果の妥当性を示した.また,計算機探索ではなく,代数学的に光直交符号を設計する検討を行った.まず,BIBD法を階層的に利用することを検討し,設計パラメータの評価を行った.今後,得られた符号に対してセキュリティ強度の評価を行う必要がある.受信系列だけから最尤推定により符号を検出する手法が得られ,この知見を利用してセキュリティの評価が行えることを確認した.
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Research Products
(4 results)