2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22560389
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Research Institution | Nippon Institute of Technology |
Principal Investigator |
神野 健哉 日本工業大学, 工学部, 教授 (50286762)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木許 雅則 日本工業大学, 工学部, 講師 (80315126)
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Keywords | 粒子群最適化 / 正準形 / 決定論的 / 固有値 / 最適化問題 / DC-ACインバータ / 適応フィルタ / 平均頂点間距離 |
Research Abstract |
我々が提案する正準形決定論的粒子群最適化法では優良解情報を各粒子間で相互にやり取りをすることで、解探索を行なっている。優良解情報のやり取りを行う関係をグラフとしてとらえた場合、グラフが有する構造によって、探索性能が変わることを数値実験を基に理論的に解明を行なった。その結果、グラフの平均頂点間距離が解探索性能に大きく関わっていることを明らかにし、特に我々が提案する正準形決定論的粒子群最適化法では平均頂点間距離の増加に伴い、解探索性能が向上することを明らかにした。更に、前年度から引き続き固有値の解析結果により、解探索性能向上に大きく寄与するパラメータを導出し、平均頂点間距離を長くした場合に関しても解析を進めた。その成果から、新たに粒子間の結合を時変スイッチとした新たな系を考案した。このシステムは決定論的でありながらこれまでのシステムの性能を大きく改善したものであり、今後更なる発展が期待できる。また決定論的システムであることを利用して、アナログ電子回路による実装化実験も開始した。電子回路の実装化においても平均頂点距離が長いシステムは非常に有用であることも確認した。現時点ではまだ小規模な回路実験に過ぎないが、来年度はこれらを大型化する検討も行う予定である。これらの結果は原著論文2本、国際会議14本、国内の研究会講演14本(1本の招待講演を含む)で結果を公表した。本年度得られた解析結果に基づき、新たなシステムを考案することができた。来年度はこられも含み、より詳細な理論解析を行う予定である。また提案システムの電子回路による実装化検討も大規模化することも視野に入れ、引き続き回路設計、実装、性能評価を今後実施する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は提案システムの理論解析および本システムの電子回路の実装化が目標であったが、理論解析に関しては粒子間の結合関係に着目した解析を行うことができ、当初設定した本年度の達成目標を達成できたと想われる。また電子回路による実装に関しては基本回路の設計に続き、実装化し、小規模な回路に関してはその性能評価を行うことができた。実問題への応用に関しては、まだシミュレーションのみで不十分ではあるが、概ね目標は達成できたものと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究での正準形決定論的粒子群最適化法の動作の理論解析結果により、本年度提案システムを改良した新たなシステムを構築し始めることができた。そこで今後はこの新たなシステムの理論解析を行い、懸案であるAC-DCインバータの最適設計を行う予定である。また、本年度小規模回路で動作を確認した提案システムに関しては、大規模化するにあたってPCとのインターフェース部分に関して処理速度の問題が生じ、大規模化に至らなかった。 すでにこの問題を解決する新たなインターフェースの設計、製作を開始しており、これにより大規模化し、汎用的な最適化問題を解くことが出来る電子回路システムの構築を目指す。
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Research Products
(30 results)