2011 Fiscal Year Annual Research Report
多点代数曲線符号の符号化および復号処理の高速化に関する研究
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22560391
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
藤沢 匡哉 東京理科大学, 工学部, 准教授 (10345431)
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Keywords | 多点代数曲線符号 / 高速復号法 / BMSアルゴリズム |
Research Abstract |
前年度では、多点代数曲線符号が1点代数曲線符号の部分符号となることを利用して、1点代数曲線符号の高速復号法であるBMS(Berlekamp-Massey-Sakata)アルゴリズムを修正して適用することで多点代数曲線符号においても高速復号ができることを示してきた。この復号法は主符号(L符号、関数型符号)に対する高速復号法であったが、本年度は双対符号(Ω符号、留数型符号)に対する高速復号法を提案した。本提案法は1点代数曲線符号の高速復号法であるBMSアルゴリズムのベクトル版を拡張することにより得られる。また、未知シンドロームを多数決により決定する方法(多数決法)についても拡張が可能である。この多数決法によって復号に利用できなかったシンドロームを求めることができるようになるため従来の設計距離よりさらに大きな設計距離(generalized order bound)まで復号可能となり、より多くの誤りを訂正することが可能となった。 次に、多数決論理が適用できる場合に利用可能であるFeng-Raoの1点代数曲線符号に対する改良符号の構成法を多点代数曲線符号に対して適用し、性能の評価を行った。結果として、特にエルミート符号(エルミート曲線により構成される符号)に対して、1点符号の改良符号よりも優れた改良多点符号が存在することを示した。 主符号に対する高速復号法に関する成果は、国際学会(IEEE ISIT2011)において口頭発表を行った。また、双対符号に対する高速復号法に関する成果、および、符号の性能に関する成果は、情報理論とその応用学会において口頭発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
主符号に対する高速復号法に関する成果は論文誌へ投稿中であり、もう1つの成果である双対符号に対する高速復号法についても論文誌への投稿準備中であり、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度では残っている課題である高速符号化について取り組む。高速符号化を提案するにあたり、これまでに得られた知見を利用することで、効率的に研究を進めることが可能である。
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