Research Abstract |
成長期における顔画像認証技術として,本研究者らが先に提案したブロックマッチングを伴う認証法において,ブロックの位置調整を伴う方法を提案し,特性改善を図った。この手法は,幼小期において撮影された顔画像を登録顔画像として,年齢変化が生じた後の人物の認証を行うことを目的としており,成長による顔の構成要素の形状変化及び位置変化の影響を排除するため,顔画像を複数のブロック領域に分け,登録顔画像の各ブロックに最も類似する認証顔画像のブロックをその近辺領域内におけるブロックマッチング法で求め,その相関係数の大きさから類似度を計算し,認証を行う。複数の登録顔画像から,最も類似度が高い登録顔画像の者を同一人物と判定する。ここで,ブロックを切り出す位置により,認証精度が劣化する場合が生じた。これは,ブロックの位置により,顔の特徴的成分が複数のブロックに分断され,求められる類似度の信頼性が低下することに起因するものである。提案のブロック位置調整を伴う方式は,ブロックの位置を変化させながら類似度を求め,最も類似度が高い位置により評価を行うものである。実際に,15名の中学3年生の男子生徒の顔画像に対して,各自が小学6年生のときの顔画像を登録顔画像として用いた際の顔画像認証を行い,位置調整を行わない従来法では,正答率が73%であったのに対し,位置調整を行うと,87%の正答率を実現することができた。また,成長による肌の状態変化による認識精度劣化を防ぐため,雛,ニキビなどの肌の凹凸成分を自動的に除去するフィルタをGPGPUにより実装し,その有効性を確認した。
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