2011 Fiscal Year Annual Research Report
低炭素化および高齢化社会における新技術自動車の普及と炭素排出削減効果の調査と分析
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22560407
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
森 俊介 東京理科大学, 理工学部・経営工学科, 教授 (80147503)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大蔵 将史 大阪府立大学, 大学院・工学研究科機械系専攻, 助教 (90453810)
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Keywords | 電気自動車 / 太陽電池利用 / 家庭用エネルギー / Webアンケート調査 |
Research Abstract |
平成23年度は、パーソントリップなど既存の調査では提供されないコスト負担とEV、PIHVへの購入意思額、自動車の利用時間帯、利用頻度、さらに平成23年3月に発生した東日本大震災のようにガソリン購入に障害が発生したり、計画停電などが予想されるような事象の発生によって、自動車の種類の購入動機に変化が出るかどうかなどをWeb上のアンケートにより調査を行い、望ましい交通手段の在り方の変化を探った。また、震災後特に注目と必要性の高まった太陽電池と公共交通システムへの利用評価として、流山市コミュータバスを取り上げ、ここに電気バスを導入した場合の太陽電池の有効利用ポテンシャルを運行ダイヤと気象条件を考慮しつつ実施した。 アンケート調査に関して、具体的には東日本の5400世帯に対して、各県別・世代・持家形態・家族構成・乗用車保有台数・おもな乗用車使用時間帯など本研究室で行った先行調査項目に加え、出先での駐車時間を合わせ尋ねた。これにより、電気自動車の出先での充電可能性に関して分析が可能となった。以上から、電気自動車利用と太陽光発電との連携の有効性に関する基礎的なデータと予備的な分析を行うことが可能となった。 成果は以下のようにまとめられる。(1)乗用車の走行距離分布は広域で見てもあまり大きな差異はないこと、(2)平日よりも休日において出先での駐車時間は短い傾向がみられること、(3)東京の家庭および流山コミュータバスへの適用評価では,天候により太陽電池の電気自動車への供給可能性は大きく変化するものの年間を通じると削減効果は見られること、特に余剰電力買い取り制度が導入された場合、コミュータバスは1台の運行ダイヤ区間ならば経済性が見られる一方、2台以上の運行の区間では経済性が得られないこと、バイオマス燃料よりも事業性が認められること等が知見として得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初はWeb調査に基づいて家庭部門への電気自動車導入ポテンシャルを評価する予定であった.このWeb調査とその分析については、調査結果も無事収集でき、分析も予定通り順調に進展している。また、震災後の公共交通の重要性から、ここに太陽電池を導入した場合の寄与など、当初の予定にない課題も合わせて進めることができた。しかし、範囲を広げたこともあって、Web調査に基づく研究成果の発表は平成23年度は行えず、平成24年度6月の学会発表で行われる。以上から、研究内容については当初の予定以上、研究成果発表についてはやや遅れ気味,全体としては(2)おおむね順調に進展している,と自己評価する。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度である平成24年度は、Web調査で得た使用形態に対するミクロ調査データ結果をもとに、(1)EV/PIHVの導入効果に地域性がどのように見いだされるか、(2)世帯別の具体的な家庭用エネルギー需要パターンに対するEV/PIHVの充電と使用時間の効果のモデル化を進める。(3)どのような家族構成・使用形態においてPIHV/EVが有効であるか、また太陽光発電だけでなくコジェネレーションの導入効果はどれほどのものとなるか、(4)PIHC/EVとバイオマス系燃料の比較、などを実施する。また本年度は研究の最終年度であるので、研究の成果を学会等に積極的に発信を行う。
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Research Products
(6 results)