2010 Fiscal Year Annual Research Report
革新的寄生的離散ウェーブレット変換による高速・実時間異常信号検出法の創出
Project/Area Number |
22560418
|
Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
章 忠 豊橋技術科学大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50254579)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今村 孝 豊橋技術科学大学, 大学院・工学研究科, 助教 (10422809)
|
Keywords | アルゴリズム / 計測工学 / 信号処理 / 異常診断 / 実時間処理 |
Research Abstract |
稼動中の原子力発電所や運行中の飛行機などにおいて,稼動・運行と同時に異常状態を実時間で検出することは非常に難しい.この理由は,異常が生じる初期段階では,その予兆現象が変動的で,かつ非定常(現象の再現性が低い)な性質が強いためである.そのため,初期段階の異常検出には,短時間で瞬間的に生じる現象を正確に捉える技術が要求される.本研究ではこの問題に対して,初期段階の非定常な異常信号の発生時刻と強さを高速(5.0×10-7[s]以内),且つ高信頼性(目的信号の検出誤差-20[dB])に検出する手法を開発する.これは研究代表者が考案・開発した寄生的離散ウェーブレット変換と,それによる高速ウェーブレット瞬時相関の各理論を用いて実現できる. 本年度における課題は,提案手法の信頼性の向上と実時間処理にむけた高速化である.前者の信頼性の向上における問題点は,計算構造に含まれるダウンサンプリング(信号の取得間隔を長くし,低い周波数成分を強調する処理)に起因するものであることを明らかにした.そして,その対策として,ダウンサンプリングを必要としない計算構造を新たに組み込む手法を提案した.この計算構造としては,定常ウェーブレット変換を用い,計算構造を代替したアルゴリズムを構築した.後者の計算処理の高速化についても,この代替手法を用いることでの計算量低減の可能性が確認できた. 上記のとおり再構成した計算手法を,胎児・母体の混合した心電図の分離解析処理に適用し,本年度の処理改善の有効性を検証・確認した.
|