2013 Fiscal Year Annual Research Report
脳波の時空動特性を用いたストレス計測システムの研究
Project/Area Number |
22560420
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
西藤 聖二 山口大学, 理工学研究科, 准教授 (60253168)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | ストレス計測 / 脳波 / 運動 / 精神的ストレス |
Research Abstract |
本年度は研究の総括を行い、未発表の成果を国際会議で発表するとともに、今後の研究の進展を狙って、新たな精神的ストレス負荷の検討および測定を実施した。 成果の発表については、匂いの閉眼脳波に対する影響に関する次の内容を国内および米国にて発表した。(成果)刺激臭であるペッパーミント(アロマオイル)は、頭頂・後頭部の高域α波(10~13Hz)の振幅増加に寄与した(安静時と有意差が認められた。被験者は21~24歳の健常男子学生8名)が、低域α波にはほとんど影響を与えなかった。暗算と匂いを組み合わせた条件では、暗算単独と比べて、高域α波はやや増加し、低域α波は若干低下するが、有意差は認められなかった。一方で、リラックス臭(合成香)であるグレープでは、低域、高域α波のどちらにも殆ど影響が見られなかった。この結果から、ペッパーミントには、暗算などの精神課題による影響を打ち消す程の効果はないものの、注意能力に関わる高域α波の増加を誘発する効果がある可能性が示された。 さらに、新たな精神的ストレスとして、「思い通りに入力した文字が表示されないタイピング課題」を提案し、1回目の課題実行時、その後20分の運動または休憩を取った後に再度課題を実行した時の開眼脳波を測定した(健常男子大学生6名、21~24歳)。その結果、1回目の課題実行時ではα波の振幅が安静時に比べて低域、高域共に大幅に減少する一方でβ波の振幅が増加し、被験者の精神状態への影響が認められた。2回目の課題実行時は、運動・休憩に限らず、α波の低域、高域共に安静時と有意差がない程度まで回復したが、β波については依然として安静時よりも高レベルで推移した。これらの結果は、課題による精神的ストレスの負荷と運動・休憩によるリフレッシュ効果を示している可能性もあるが、課題実行前の練習量が少ないため、慣れの影響が小さくないと思われ、今後の要改善項目である。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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