2011 Fiscal Year Annual Research Report
動的せん断ひずみ時空間勾配解析によるエバネッセント場の検出に関する研究
Project/Area Number |
22560421
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
寺本 顕武 佐賀大学, 工学系研究科, 教授 (70207489)
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Keywords | ナノイメージング / ナノイメージング / ナノイメージング / 非破壊検査 |
Research Abstract |
『時空間解析を動的せん断ひずみの秩序性の解析に導入し,亀裂近傍のエバネッセント場を検出することにより,波長の十数分の一の大きさの亀裂を抽出する非破壊検査法を確立すること』を目的として行った基礎研究の成果を、炭素繊維強化樹脂(CFRP)に対して適用した結果,本年度は以下の成果を達成した. 1.現有の表面変位観測装置を用いて,CFRP薄板材料表面の振動場をサブミクロンオーダーで計測し,欠損近傍でのスキン材の面外せん断ひずみの振る舞いがどのように変換するか検証する. 2.以上の実験結果に基づき,薄板材料中に発生した欠損直上のスキン材の有限要素モデル化を行った. 3.当該モデルを構造解析ソフトウェア中に再構成し,観測された現象を再現した 4.同時に,波動方程式にもとづく解析を実施し,中空円筒状の欠損がCFRP薄板材料中に生じた場合の.スキン材上のAOモードラム波の波動場の厳密解を導出した. 5.厳密解にもとづき,互いに直交する動的面外せん断歪みの共分散行列の行列式が,欠損直上のスキン材のエバネッセント場を柚出することを理論的に明らかにした. 6.また昨年度投稿した論文が学会誌に掲載された。 7.研究代表者が出顧していた本研究の基礎となる特許が登録された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の目的であるCFRP中に発生した,欠損や剥離境界から滲みだすエバネッセント場を計算モデル化し,提案手法の妥当性を証明することは,完了した.つづいて,本手法を実現する非破壊検査光学系の設計は,すでに修了し,組み立てに着手している.概ね計画通りに進んでおり。さらに,当初の計画を超える成果としては,本手法の原理となった特許が成立したことである.よって,上記の判断とした.
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の中心は, (1)共焦点干渉光学系を完成させ,局所的な動的歪みを計測する. (2)上記の光学系の性能を評価する. (3)CFRPの非破壊検査を実施することである. 一方,当初考えていた,ミラーによるスキャニングシステムが振動に脆弱であることが確認されたので,現在用いているxyトラバース装置による2次元スキャンシステムを用いることにした.
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Research Products
(6 results)