2011 Fiscal Year Annual Research Report
MRI駆動音の伝搬路を考慮した被験者のための防音保護具の製作
Project/Area Number |
22560426
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Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
武藤 憲司 芝浦工業大学, 工学部, 准教授 (30259832)
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Keywords | MRI / 多チャネルANC / 音場計測 |
Research Abstract |
核磁気共鳴を利用した医療機器MRI(Magnetic Resonance Imaging)装置が発生する駆動音は非常に大きく100dBを超える場合がある.そのような音環境の中で15分から1時間の間,検査を受ける被験者のために,マルチチャネルアクティブノイズコントロールによる防音保護具システムの開発が重要な課題である.そして,防音保護具を開発するためには,マルチチャネルアクティブノイズコントロールのためにMRI駆動音の音源の特性を考慮したマイクロホンの配置を検討し,防音保護装置の製作と検討が本研究の目的である.そのため,今年度は,MRI駆動音伝搬特性の調査とマルチチャネルアクティブノイズコントロールの技術仕様を検討した.まず,MRI装置から音が発生する音源の特徴調査である.3テスラの静磁場強度を有するMRI装置が発生する駆動音を,MRI検査室の検査テーブル上および周囲のさまざまな地点において,マイクロホンなど電子回路へ混入する雑音の影響の分析,および,MRI駆動音の音圧レベルと周波数特性を明らかにした.アクティブノイズコントロール装置はイヤマフによる消音と組み合わせたマルチチャネルアクティブノイズコントロール装置の構築について検討する.基本的なDSP(Digital Signal Processing)プログラムを作成するとともにボア中心から60cmにある音源を参照して1入力1出力のフィードフォワード型のアクティブノイズコントロールを想定した計算機シミュレーションを行い,その有効性を確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
フィードフォワード型ANC構築のために有効なMRI駆動音源の位置情報を得ることができ,計算機シミュレーションで有効性を確認できた.次はDSP実装プログラミングの開発を効果的に進める必要がある.
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Strategy for Future Research Activity |
MRI被験者用のANCで誤差の要因となる成分の情報を得る必要がある.受音点を固定点として計算機シミュレーションを行っているが,被験者はある程度動くため,これが誤差の要因と考えている.消音に与える影響の検討が必要な課題である.
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