2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22560428
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Research Institution | Takushoku University |
Principal Investigator |
長谷川 淳 拓殖大学, 工学部, 准教授 (30228449)
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Keywords | 計測工学 / 振動分布計測 / 可視化 / 光学式変位センサ / 水中用振動センサ |
Research Abstract |
本研究は、水中の振動体を非接触で多点同時計測し、その振動分布を3次元アニメーション表示として可視化することを目的としている。H22年度はその初年度として、主に水中用の光学式変位センサユニットの開発と、高周波数対応とを中心に研究を実施した。以下、研究項目ごとに詳述する。1、水中用光学式変位センサユニットの試作評価:センサユニットは、先に開発した高空間分解能光振動分布計測システムの光ファイバ型変位センサユニットをベースに試作した。このユニットは送受光用ファイバの先端にレンズをつけて集光し、焦点近傍に置かれた被計測反射面からの反射受光量変化により変位を計測するものである。この方式を屈折率の異なる水中に応用するため、光学系の変更を検討した。同方式のセンサユニットの感度,ダイナミックレンジ,ワークディスタンス等の特性はトレードオフの関係にあり光学系で決まるため、試作評価を繰り返してバランスをとる必要があった。そこでまず、各種レンズ交換が可能な評価用水中センサユニットを開発した。この試作ユニットはサイズが大きくて多チャンネル化には向かないものの十分な防水性能が確認され、基礎特性評価に役立った。机上での光学的検討によりあらかじめ抽出した各種レンズを試作ユニットに装着して特性を評価を繰り返した結果、従来の空気中用センサと同等の性能を保ちつつ水中での使用が可能なレンズの組み合わせを決定した。次年度以降はこれをベースに小型化したユニットを研究開発する。2,周波数帯域の拡張:周波数帯域を拡張する目的で電子回路部の試作評価を行った。しかし従来の空気中用システムのSNを保ちつつ帯域を拡張することは、電子回路部の改良だけでは困難であった。唯一の対応策は光電変換部の光学的カップリングを改良することで特性を改善することとの結論が得られ、次年度以降はこの方針で研究開発を進めることとする。
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