2011 Fiscal Year Annual Research Report
光の中から音情報を取り出す方法と光波マイクロホンの高性能・高機能化
Project/Area Number |
22560429
|
Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
園田 義人 東海大学, 産業工学部, 教授 (90117143)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐松 崇史 東海大学, 産業工学部, 准教授 (60299667)
|
Keywords | 音 / レーザ / 超音波 / 光マイクロホン / 光情報処理 |
Research Abstract |
音の代表的な検出手段であるマイクロホンは1世紀以上に亘る開発の歴史があるが、その基本方式(振動膜の利用)は変わっておらず、応用上種々の制約や限界が出ることが避けられなかった。本研究では、振動膜等の物体を一切用いず光で音を直接検出する方法、もしくは光の中から音情報を取り出す方法を提案し、実用化するための開発研究を行っている。本申請研究では、同技術を音に関わる工学分野一般に広く適用できる実用技術レベルとするため、それに必要とされる性能改善及び高機能化の研究を計画した。本年度は、前年度のSN比改善等の課題の解決を継続すると共に、高性能化・高機能化を図るための研究を実施した。(1)オートバランス光レシーバ方式光波マイクロホンの検討:オートバランスレシーバを採用し、信号・局発成分パワー分割比、レーザ偏光特性等がSN比改善に及ぼす影響を検討した。これらにより20dB程度のノイズ低減は容易に達成できることを明らかにした。(2)情報処理手法(独立成分分析法)によるSN比改善策の検討:音による光回折像を受光する2分割光検出器の出力電気信号間に独立成分分析などの情報処理手法を適用するソフトを作成し適用可能なことを確認したが、大幅なSN比改善には至っておらず、今後の改善が必要である。(3)光共振形光波マイクロホンの性能と実用化の検討:音を検出するレーザビーム部にファブリーペロー形の光共振構造を組み込み、信号を光学的に大幅に増幅する方法を検討した。光共振方式による信号増倍に関する理論式を求めこれによる増倍率を明らかにした。実験により信号増倍効果を確認できた。(4)高機能化の検討:光ファイバ束を用いた音分離測定・指向性制御の実験的検討を若干行ったが、本格的な検討は次年度実施予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
設定した課題テーマをおよそ実施できた。研究計画及び目標に対して、完壁な結果には至っていないが、重要な知見が多数得られた。
|
Strategy for Future Research Activity |
今年度に課題として残った内容、特にSN比の改善策について継続検討を行う。同時に、当初の研究計画に沿って、光波マイクロホンを高機能化・高性能化するための方法の検討を行う。特に、光ファイバ束を用いた指向性制御や音方向の分離測定機能の検討、光ファイバ出力の相関測定によるSN比改善等を検討する。
|
Research Products
(9 results)