2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22560432
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
五反田 博 近畿大学, 産業理工学部, 教授 (10153751)
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Keywords | ブラインド信号分離 / 独立成分分析 / FDICA / 時間周波数マスキング / スパース性 / 音環境のモニタリング / 音源定位 / 雑音抑圧 |
Research Abstract |
所望の信号以外に様々な雑音や多重波(残響やマルチパス)が含まれる混合信号の中から、雑音や残響を取り除いて所望の信号を高品質に復元することを研究目的に、ブラインド信号分離法に関する検討を進め、本年度は以下の研究結果を得た。1.リアルタイム化について、無相関化された混合信号から得られる方位ヒストグラムのピーク方位を探索することで原信号からの回転角が推定でき、その回転角をもとに得られる行列を分離行列とすることで処理時間が短縮できることを確認した。2.音声区間検出について、雑音除去後のSN比が20dB以上あれば音声区間の検出誤差はフレーム周期以内の範囲に抑えられることを確認した。3.音源のスパース性を利用して、移動音源も考慮に入れたフレーム単位での音源の方位推定(DOA)法について検討した。具体的には、フレーム単位でDOAの頻度分布を求め、分布のスパース性をHoyerのスパース尺度で評価して所望話者フレームを選出してDOAを推定するとともに、推定したDOAをもとにソフトマスク処理を行って所望話者音声を分離する方法を提案した。4.フレーム単位でDOA頻度分布のスパース性を評価することにより、音源数等の音環境の変化がモニタリングできることを確認した。5.所望音源のマイク対に対する方位によって推定精度が異なることをCramer-Rao Boundの観点から検討して、精度良く推定できる範囲が特定できることを確認した。
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