2011 Fiscal Year Annual Research Report
ナノスケールサーボ制御のためのオンライン制振軌道生成
Project/Area Number |
22560437
|
Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
平田 光男 宇都宮大学, 工学研究科, 准教授 (50282447)
|
Keywords | 軌道計画 / オンライン最適化 / ナノスケールサーボ制御 |
Research Abstract |
HDDのヘッド位置決め制御など,ナノスケールサーボ制御では要求精度が著しく高いため,位置決めの際に生じる機械共振の残留振動が無視できない。この問題に対しては,制振軌道設計が重要となるが,入力の時系列データをオフラインで計算してメモリに保存し,それを順次与えるといった手法が多い。しかし,それでは,制御対象の特性が変動した場合,再度オフラインで軌道を再設計しなければならない。また,オフラインで計算した軌道を記憶しておくために大量のメモリが必要となる。そこで,本研究では多項式を用いて入力をオンライン生成することを考え,多項式型終端状態制御に基づく手法を提案した。さらに,時間対称性を仮定した多項式や多項式と時系列データを組み合わせた手法を提案し,解の信頼性や性能が向上することを確認した。 本年度は,初年度において理論的に不備があった点について再検討すると同時に,設計理論に関する内容を査読付き論文にまとめた。また,2慣性共振系の実験装置を構築し,実機実験により有効性の検証を行った。さらに,高速高精度化を追求した際の有効性を検証するため,レーザ加工で用いられるガルバノスキャナの制御実験装置の設計及び制作を行った。理論面においては,制御対象のパラメータ変動に対して,入力の適応化を試みた。また,鉄鋼プラントや自動車のトランスミッション制御系など,ナノスケールサーボ制御系以外の対象に対しても適用を試みた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
理論構築を済ませ,シミュレーション及び実験による検証も実施し,その結果はすでに国際会議や査読付き論文として発表している。さらに,ナノスケールサーボ制御以外の対象に対する適用も行っている。したがって,おおむね順調に進展しているといえる。
|
Strategy for Future Research Activity |
次年度は最終年度であり,これまで得られた結果をまとめ,本研究で明らかとなったことと今後の課題を整理する。同時に,さまざまな制御対象への適用を検討し,提案手法の適用分野の拡大を図る。
|